空き巣に入られたらまず何をする?警察の対応と再び被害に遭わない方法
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空き巣に入られた形跡がある場合は、まず家の外に出ることが大切です。犯人がまだ家の中にいる可能性もあるので、一人で部屋に入ることは控えます。
盗られたものやお金がそのまま返ってくることは少ないですが、税金の控除を受けられる場合があります。警察に通報し状況が落ち着いたら、もう被害に遭わないために防犯対策を整えることが大切です。
被害に遭った場合にどのような行動を取ればよいのか、解説します。
家の外に出て警察に連絡
家に帰ると様子がおかしく、もしかして空き巣かもしれないと思ったときは、
- 速やかに家の外に出る
- 警察に連絡する
という行動をとります。
部屋の状態を確認したり、何がなくなっているのか知りたい気持ちが先行してしまいますが、ぐっとこらえる必要があります。
なぜなら、まだ犯人が家の中に潜んでいる危険性があるからです。
犯人と鉢合わせすると、捕まりたくない空き巣がどのような行動を取るかわかりません。逃げたい一心で、住人に襲いかかってくる空き巣もいます。
また、部屋の片付けをすると犯人の痕跡が消えてしまうかもしれません。指紋や足跡には、目に見えるもの・見えないものがあります。とにかく何も触らないようにして、そのままの状態を保ちます。
警察への電話では、以下のような質問を受けます。
■名前・住所・連絡先
■何がありましたか?
■いつ空き巣に気付きましたか?
■犯人は見ましたか?
■今どこから電話していますか?
深呼吸をして、落ち着いて連絡しましょう。スマホからでも「110」と押すだけでつながります。
警察に連絡すると、鑑識の人を連れて一緒に来てくれますので、「警察官と一緒に片付ける」という気持ちで家の外で待ちます。
被害届を出さないこともできます。しかし、空き巣被害は盗られたものや現金の総額よりも、家の原状復帰にお金がかかるケースも多いです。被害届があると、保険がおりたり税金の控除が受けられることもあります。
通帳や身分証を再発行するときにも被害届が必要になります。たとえ何も盗られていなかったとしても、警察に通報しておくのが無難です。
空き巣が狙うものは現金が多い
警察が到着するまでの時間で、空き巣に狙われやすい貴重品の隠し場所を思い出しておくとスムーズです。
空き巣がもっとも狙いやすいものは、現金です。ただし、外国人グループが窃盗していた場合は、現金以外にパソコンや貴金属なども狙われる危険性が高まります。
【金目のもの】現金、通帳、クレジットカード、印鑑
【個人情報】運転免許書、保険証、パスポート、携帯電話、スペアの合鍵(車・バイク・家など)、自宅の権利書
【高価なもの】パソコン、カメラ、腕時計、アクセサリー、宝石、ゲーム機、家電、ブランド品
【性的なもの】下着、制服
ちなみに盗まれたものが現金であれば、返却されないことが多いです。空き巣にとって、現金は足がつきにくい最高の窃盗品なので、すぐに使ってしまいます。
カードや通帳が盗まれた場合は、関係各所に連絡すれば、取引の中止を行うことが可能です。
もしすでにクレジットカードの引き落としがあった場合でも、警察からもらった盗難届があれば、カード会社が負担してくれることが多いので安心してください。
パソコンや腕時計などの高級品が盗られた場合は、犯人逮捕につながる可能性があります。外国人の窃盗ならば、空港の保安検査場で引っかかる場合もあります。
警察官の対応
警察官・鑑識の人が到着すると以下の行動を取ります。
- 事情聴取
- 警察に電話した内容と同じ質問や、現場の状況から話を進めます。このとき、部屋の中を一緒に確認し、盗られたものを探していきます。
- 指紋・足跡を採取
- 鑑識の職員が、犯人が触ったと思われる場所の指紋を採取します。このとき、足型や手形が残っていれば、同じく記録します。
- 侵入経路を考察
- 犯人がどこから侵入したのか、どのように家の中に入ったのかを確認します。家の外出て確認すると、ベランダの手すりや室外機に手形・足型が残っている可能性があります。
- 盗難届の交付
- 「盗難届出証明書」「届出受理番号」のどちらかを交付してくれます。保険を利用したり、身分証を再発行するときに必要です。
警察官は、担当の人によって調査の仕方や、話しやすさは異なります。家に上げて部屋の内部を詳しく写真で盗られますし、調査とはいえ個人的なことも聞かれます。
どうしても抵抗がある、話しにくいと感じる場合には、同姓の警官をお願いすることも可能です。
盗難被害で税金の控除が受けられる
警察官が帰ったら、盗られたものの種類を踏まえて、必要な場所に連絡を行います。
【クレジットカード】
クレジットカードが盗られていた場合は、カード会社に連絡します。
ほとんどのクレジットカードで盗難保険が付いています。カードが不正に使用されても、届出をしていれば60日前にさかのぼって被害額を負担してくれます。
【通帳】
通帳のみが盗まれた場合は、お金を引き出されることは少ないです。ただし、印鑑と同時に盗まれた場合や、暗証番号がわかりやすいものに設定している場合は、すぐに支払い停止手続きを行います。
【印鑑】
印鑑の中でも実印を盗まれた場合は、市区町村の窓口で手続きを行います。まずは窓口に電話し、どのように行動するべきかの指示を仰ぎます。
【運転免許証】
運転免許証は、再発行すると桁数が1つ増えます。悪用された場合でも、新しい免許証を発行していれば前の免許証番号は無効になります。
【健康保険証】
健康保険証が盗まれた場合は、会社員の方は勤め先に、自営業・学生の方は市区町村に届出ます。
【携帯電話】
携帯電話が盗まれたら、携帯会社に連絡します。携帯会社によっては、位置情報を確認する方法があるかもしれません。回線を一時的にストップすれば、第三者の悪用を防ぐことができます。
【パスポート】
パスポートの再発行は「紛失届」の申請となり、警察にもらった届出受理番号が必要です。
賃貸物件の場合は、管理人・大家さんに連絡します。窓や玄関が壊されていて修理が必要なことを伝えると、力になってくれるかもしれません。
火災保険・住宅保険などの補償を受けられることもあります。家を契約したときの書類を見返して、保険会社にも連絡をとりましょう。
また、確定申告の際に、雑損控除が受けられる可能性もあります。
雑損控除は災害・盗難・横領などの被害を受けた場合に、一定額の所得控除を得られることです。
雑損控除では、家具や衣類などが対象となります。場合によっては現金やパソコンなども対象となり、控除を受けられる可能性があります。警察に届出ると同時に、税務署に相談すると安心です。
ただし、「生活に通常必要でない資産」は除外されます。
「生活に通常必要でない資産」とは、例えば、別荘など趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で保有する不動産や、貴金属や書画、骨董など1個又は1組の価額が30万円超のものなど。
盗られたものや状況によっても控除額が変わるので、詳しい内容は税務署で確認することが大切です。
落ち着いたら防犯対策を強化する
警察への通報や、保険会社への連絡がすんで少し落ち着いたら、防犯対策の強化を考えましょう。
空き巣は、犯行の前に下見をします。家族構成や生活パターンを把握し、確実に家が留守になっている曜日・時間に侵入します。
窓やドアの鍵を常に閉めておくことも重要な防犯対策ですが、プラスアルファで防犯グッズを取り入れると侵入に時間がかかるので、空き巣が避ける家を作ることができます。
空き巣に入られると、精神的なショックも大きいです。万が一、不安な場合には、引っ越しをするのも1つの方法だと思います。
新しい物件を探す場合には、オートロック付きのマンションであることも大切ですが、周囲の環境も影響します。
- 夜、真っ暗になる
- 建物に囲まれていて、死角が多い
- ゴミ出しの曜日やマナーが守られていない
上記に当てはまれる物件や街は、空き巣に狙われやすいです。
持ち家で引っ越しができない場合には、ホームセキュリティの導入もおすすめです。ホームセキュリティは高いというイメージもありますが、もしものときの保険と同じで、安心材料になります。
ホームセキュリティを導入している家庭は10%未満です。空き巣は、10%にも満たないホームセキュリティに入っている家よりも、その他90%の家を優先して狙うはずです。
ホームセキュリティのメリットやデメリットについて、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になると思います。
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再び被害に遭わないために
空き巣被害に遭ってすぐは、精神的なダメージが大きいと思います。窓やドアの鍵が壊されている場合には、修復するまでの時間も不安でいっぱいです。
脅すような言い方になってしまいますが、空き巣は、「空き巣に入られても気付かない家」や「空き巣に気づいても警察に通報しない家」には再び侵入する可能性があります。
空き巣同士のネットワークで、「狙いやすい家・狙いにくい家」がチェックされているかもしれません。
気持ちや状況が落ち着いたら、もう被害に遭わないように、簡単な防犯グッズやホームセキュリティなどの防犯対策を行うことが大切です。
「防犯意識の高い家」を空き巣は嫌いますし、避けようとします。取り入れやすい防犯グッズを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
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