空き巣は通帳・印鑑を盗まない?貴重品の隠し場所と対策方法
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空き巣などの侵入窃盗は、2003年以降、15年連続で認知件数が減少しています。数は減っていますが、それでも1日に100件ほど住宅への侵入が発生しています。
犯人が下見を行うとき、留守かどうか・侵入のしやすさ・逃げやすさをチェックすると言われています。
しかし家自体のセキュリティを強化するとなると、時間やお金が必要です。まずは、家の中で簡単にできる対策から始めることが大切です。
今回は、通帳・印鑑などの貴重品をどのような場所に隠しておくのが安全なのか、まとめました。
目次
空き巣が盗むものは現金が多い
空き巣が一番に狙うものは、現金です。現金はかさばらないので盗みやすいですし、すぐに使えます。通帳やクレジットカードとは違って、使っても犯罪がばれにくいので泥棒にとっては好都合です。
空き巣が部屋に入って探すものは、以下のとおりです。
- 現金
- かさばらない、すぐに使える、足がつきにくい
- 現金に換えやすいもの
- 単独犯の場合は、一人で運べるノートパソコン・宝石・時計など
- 通帳・クレジットカード
- 意外と盗まれにくい、悪用されると被害が大きくなりがち
泥棒は、通帳やカードを避ける傾向にあります。銀行や、クレジットカードが使えるお店には防犯カメラが設置されているからです。
空き巣は用意周到に捕まらない工夫をしています。そのため、防犯カメラに自分の顔や姿が映ることを嫌いますし、足が付く危険性が高いことは避けます。
通帳やカードは最初から盗まないか、盗んでも破棄する可能性があります。
とはいえ、悪用された際には被害が大きくなりがちですし、現金を引き出される事例もあるのでしっかりと対策を行う必要があります。
手口は無締りがトップ
空き巣は、玄関のドアをピッキングしたり、ガラスを破ったりして部屋に入ることも多いですが、実は一番多い手口は無締りです。
無締りは「鍵を閉め忘れた玄関・窓から侵入すること」です。つまり、住んでいる人の不注意が引き起こします。
以下の表は、警察庁が発表している侵入の手口を一部抜粋したものです。
【侵入の手口】 | 戸建て | 共同住宅(3階以下) | 共同住宅(4階以上) |
---|---|---|---|
無締り | 45.4% | 45.6% | 45.9% |
ガラス破り | 38.2% | 32.5% | 19.4% |
ドア錠破り | 2.6% | 1.7% | 2.3% |
警察庁:住まいる防犯110番より作成(2017年)
窓ガラスを割ったりドアに細工をすると、侵入されたことが分かりやすいです。しかし無締りで入られると、侵入されたことにも盗られた物にも気がつかない場合があります。
盗られた物に気がつかないと警察への通報が遅くなるため、犯人は捕まりづらいです。もし通帳と印鑑が盗まれていたら、知らないうちにお金が引き出されているかもしれません。
ゴミ出しや近所の買い物など、少しの外出でもしっかりと鍵を閉めることが重要です。
貴重品の隠し場所はどこがいい?
家に侵入した空き巣が意外と後回しにしやすい部屋は、書斎・子供部屋です。書斎の本の一つ一つを確認する時間的余裕はないですし、子供部屋にへそくりや通帳があることは圧倒的に少ないです。
ただ、大抵の隠し場所は発見されてしまいます。
特に通帳はへそくりと違って定期的に使うので、わかりづらい場所に隠しておくと取り出すのが面倒になります。結果的に、手の届く範囲で隠しておくことが多いです。
大切なことは、貴重品に異変がないかこまめに確認することです。少し場所が動いている、向きが違うなどの小さな変化を見逃さないように注意します。
現金を隠している場合は、その中の一部だけ抜き取られる可能性も高いです。たとえば10万円から2万円だけ抜き取られると、意外と気付けないです。
空き巣が優先的に探す場所は、以下の場所です。
- リビング
- 寝室
- キッチン
- 冷蔵庫
- 神棚・仏壇
玄関(靴箱)・トイレ・洗面所は、探される頻度は低いと考えられますが、物を全部出してしまえば探すことは簡単なので、探しやすい箇所と言えます。
隠し場所に悩むよりも、玄関・窓の戸締りをしっかりすることが、一番の防犯対策になります。
通帳が盗まれた場合
たとえ犯人が捕まったとしても、現金や貴重品が盗まれた場合は返ってこないと考えたほうが無難です。現金はすぐに使って手元にないことがほとんどですし、貴重品も換金している場合が多いです。
通帳や印鑑、カードが盗まれた場合には、返ってくる・返ってこないに関わらず、その後の対応をしっかり行って悪用されるのを防ぎましょう。
大切なのは、通帳・キャッシュカード・印鑑は別々に隠すことです。また、通帳とダミーの印鑑をあえて一緒に置いておくのも良いと思います。
通帳だけでお金は引き出せない
銀行にもよりますが、通帳のみでお金を引き出せるところは少ないです。
通帳に磁気ストライプが付いている場合は、キャッシュカードなしで出金・振込をすることができます。ゆうちょ銀行、一部の地方銀行では磁気ストライプの通帳が採用されています。
通帳のみでお金を引き出せる銀行では、暗証番号が分かりやすいものだと防犯性がとても低いです。
その他の銀行の場合は、お金を引き出すのに下記のセットが必要です。
- 窓口の場合
- 通帳+印鑑(+身分証明書)
- ATMの場合
- 通帳+キャッシュカード+暗証番号
繰り返しになりますが、通帳・キャッシュカード・印鑑は別々の場所に保管し、同時に盗まれないように気をつけることが重要です。
再発行の手続きを行う
通帳のみを盗まれた場合は、早めに窓口に行って再発行の手続きをします。再発行すると、元の通帳は使えなくなります。再発行にはキャッシュカード・印鑑・身分証明書が必要で、1,000円程度の手数料がかかります。
通帳が新しくなっても口座番号が変わるわけではないので、公共料金の引き落としや給料振込を変更する必要はありません。念のため、暗証番号を変えておくと安心です。
印鑑やキャッシュカードも一緒に盗まれた場合は、すぐに銀行に連絡し支払い停止手続きをします。その後、再発行の手続きをします。
慌てずに落ち着いて対処することが大事です。通帳がなくなっても口座は残っていますので、お金が引き出される前に銀行に連絡すれば大丈夫です。
補償は受けられる
通帳が盗難され不正に取引されたとき、たいていの銀行では被害額を補償してくれます。盗難に気づいてからすぐに銀行に連絡していて、警察に被害届を出していることが条件です。
万が一、下記の過失があれば、補償が受けられないこともあります。
- 通帳を他人に渡す、目に付きやすい場所に放置する
- 通帳・印鑑を同じところに保管する
- 印影が押された払戻請求書などを通帳とともに保管する
- 被害情報の説明を十分に行わない
また、暗証番号はわかりにくいものを使用します。生年月日・電話番号・車のナンバー・住所の番地・連続した数字などを使用している場合には、補償の対象外になってしまう可能性もあります。
家族の生年月日も避けたほうが無難です。好きな芸能人の生年月日にすると、万が一、忘れてしまっても検索することができるので、おすすめです。
銀行の貸金庫を利用する
自宅に貴重品を保管するのが不安なときは、銀行の貸金庫が便利です。口座を持っている銀行であれば、年間1~2万円ほどで、貸金庫を利用できます。
防犯だけでなく、防災対策にも役立ちます。東日本大震災が起こったとき、銀行の貸金庫が無事だったことで安全性に対する信頼が高まりました。
貸金庫は銀行が開いている時間であれば、いつでも自由に出し入れすることが可能です。全自動貸金庫では、個別のブースまで自動的に金庫が運ばれてきます。
自宅に金庫を設置する場合は、壁や床に固定するなど持ち出せない工夫を行うと良いです。空き巣は、家に侵入している短時間では金庫を開けられません。
わざとダミーの金庫を置いておくという手もあります。この場合は、金庫の中身はなにも入れなくて大丈夫です。
あえて少額の現金を置いておく
空き巣は現金を優先して探すので、通帳や印鑑は狙われないこともあります。
しかし通帳を盗まれお金が引き出されると被害が大きくなりがちなので、しっかりと防犯対策をする必要があります。
■印鑑・通帳・キャッシュカードは同じところに置かない
■隠し場所よりも戸締りをしっかりすることが大事
■万が一、通帳が盗まれた場合はすぐに銀行と警察に届け出る
■場合によっては銀行の貸金庫を利用する
4つのポイントを守ったうえでダミーの印鑑や金庫があると、より安心感が増します。貴重品を盗まれないようにするために、少額の現金をわざと置いておくという対策方法もあります。
防犯対策についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になるかと思います。
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