空き巣は年末年始に増える?侵入のやり方・心理を知って効果的に防犯する
※記事内に広告を含む場合があります
空き巣の手口はどんどん進化しており、防犯対策のしていない窓は30秒ほどでガラスを割り、1分以内に侵入することが可能です。
年末年始やゴールデンウィークなどの長期休暇は、泥棒の動きが活発になります。留守が確実である家では、金目の物を時間をかけて探すので、被害が大きくなりやすいです。
今回は、長期で家をあける予定がある方に、空き巣の行動や侵入方法などをまとめました。
空き巣は12月・1月に増える
空き巣被害が多い月は12月と1月で、冬から春にかけて増加する傾向にあります。年末年始は帰省や旅行で、家を留守にする機会が増えるためです。
お年玉文化の関係もあり、年末年始は家に現金が置いてあることが多いです。
空き巣は、すぐに使えて足がつきにくい現金を狙います。また、10万円置いてあったら2~3万円だけというように、一部だけ抜き取ることで犯行を気付かれにくくします。
通帳や印鑑は、現金を引き出すために防犯カメラが設置してある場所に行く必要があります。空き巣は防犯カメラに姿が映ることを嫌うので、通帳は積極的に狙いません。
また、持ち運びやすく比較的高く売れる一眼レフやノートパソコンは、換金した形跡で足がつく危険性があります。盗られることもありますが、優先順位は低いです。
プロは部屋を荒らさない
空き巣が捕まると、押収品から被害届のない家での犯行が明らかになることがあります。
被害届のなかった家は、盗られたものに気づいていない場合も多いです。現金を一部だけ抜き取られると、空き巣ではなく家族の仕業だと勘違いすることもあります。
プロの空き巣は、部屋を荒らして出ていくようなことはせず、侵入したときと同じ状態を保って犯行を行います。
なぜなら、部屋を同じ状態に保っておくと侵入に気付かれにくくなり、通報の可能性も低くなるためです。
空き巣は、どれだけ大金を手に入れられるかよりも、捕まらないことを重視します。窓やドアの鍵を閉め忘れると、空き巣は侵入の痕跡を残すことなく家に侵入することが可能です。
空き巣被害に気付かず通報もしなければ、「狙いやすい家」と判断され、再び侵入される危険性もあります。
一度侵入した家であれば、室内の様子や貴重品の置き場所も把握しているので、滞在時間をより少なくすることで捕まるリスクを減らすことができます。
狙われやすい家の特徴
侵入窃盗の発生場所は、一戸建て住宅がもっとも多く全体の40%を占めます。戸建てはマンションよりも窓の数が多く、防犯カメラなどを設置している家庭は限られているので狙われやすいです。
防犯カメラを設置していると絶対に被害に遭わない、というわけではありませんが、捕まりたくない空き巣にとって姿が記録されることは避けたいものです。
狙われやすい戸建ての特徴には以下のものがあります。
■ゴミ捨てなど少しの外出では鍵をかけない(ドア・窓)
■人通りが少ない
■庭を囲むフェンスや生垣が高く、隠れやすい
■ベランダの近くに足場となるもの・場所がある
■旗竿地など、周囲が建物に囲まれて死角が多い
■公園やコンビニなど、誰でも出入りしやすい場所がある
マンションやアパートは、入り口に監視カメラが付いていることもあり、抑止力になります。
部屋への侵入経路は限られているので、防犯対策もしやすいです。逆に言えば、防犯対策をしていない部屋から優先的に狙われる、ということになります。
狙われやすいマンション・アパートの特徴は以下のとおりです。
■オートロック・監視カメラの抜け道がある
■宅配業者・その他の業者の出入りが多い
■部屋数が多い
■特に、一階・二階・最上階
■ゴミの出し方が汚い・曜日が守られていない
■自転車の置き方が整っていない
侵入の手口
空き巣の種類は3タイプあります。
- 空き巣:留守の家に侵入する
- 居空き:家に人がいるときに侵入する(留守だと思って侵入したら人がいた)
- 忍び込み:深夜など寝ている時間に侵入する
空き巣はの侵入手口はガラス破りが多く、居空き・忍び込みの手口は無締り(鍵がかかっていないドア・窓からの侵入)が多いです。
ドアからの侵入方法
ドアからの侵入は、ピッキング・サムターン回し・ドア錠破りなどの方法があります。
ピッキングは特殊な金属棒をつかって鍵穴を操作します。難しい作業ではなく、ピッキングしやすい鍵であれば、初心者でも少しの練習ですぐにできるようになります。
ディスクシリンダー・ピンタンブラーと呼ばれる種類の鍵は、ピッキングに弱いです。
ディスクシリンダーはMIWA製で、2000年まで使用されていました。現在では製造中止になっていますが、2000年以降、鍵の交換をしていない家では現在も使われている可能性が高いです。
鍵穴が縦向きで「く」の字に見えるタイプであれば、ディスクシリンダーだと特定できます。
ピンタンブラーはGOAL製で、鍵特有のぎざぎざが片方のみについています。
現在の侵入窃盗では、ピッキングを含めてドアからの侵入は少なくなっています。理由はディスクシリンダーの製造中止や、ピッキングに10分以上時間がかかる鍵が多く出てきたことです。
ディスクシリンダーを使っている家は、5分以内に簡単に侵入できる家です。
しっかり鍵を閉めていても、鍵をかけていないのと同じ状態だと言えると思います。早急に鍵の交換を検討することをおすすめします。
窓からの侵入方法
ガラス破りは窓から侵入するときに行います。大きな音と建ててガラスを叩き割るイメージがありますが、実際はとても静かです。
窓の中央部に付いている鍵はクレセント錠と言って、窓の密閉性を高めるために付けられているので、防犯性がありません。
「クレセント錠を閉めた=鍵を閉めた」と思っている人も多いですが、泥棒からすると、クレセント錠のみの施錠は鍵がかかっていないことと同じです。
空き巣は、クレセント錠近くの窓を割り、クレセント錠をおろし、窓を開けて侵入します。クレセント錠近くの窓を割る方法は以下の3つあります。
- こじ破り(三角破り)
- 打ち破り
- 焼き破り
中でもこじ破りは、マイナスドライバーだけで大きな音もせずに、短時間で窓を割ることができます。参考までに、こじ破りのデモ映像をご覧ください。
こじ破りを防ぐには、防犯フィルムを窓全面に貼る対策がもっとも有効です。防犯フィルムは、厚さが350μm(0.35mm)以上のポリエステル製であれば、ガラスを破っての侵入に時間がかかり、空き巣は諦めやすいです。
防犯フィルムはホームセンターやネット通販でも買うことができますが、自分の手できれいに貼るには手間がかかります。
貼り方を間違えれば期待通りの効果が見込めないので、専門の資格をもっている方に頼むことをおすすめします。
侵入に5分以上かかる対策
空き巣は、侵入に5分かかると6割が諦め、10分かかると9割が諦めます。家に人がいないときに侵入する空き巣はガラス破りが多く、忍込みと居空きは無締りが多いです。
つまり防犯対策で優先すべき項目は、
- 窓の対策を強化すること
- 家にいるときでも鍵を必ず閉めること
だと言うことがわかります。もちろん、外出時も鍵の戸締まりを忘れないことが大切です。
窓の対策は、補助鍵やアラームの設置をおすすめします。補助鍵は窓の上下につけることが理想ですが、難しい場合は上部を優先してください。
なぜなら、空き巣は人目につきにくくするため、しゃがんだ姿勢で作業をします。窓の上部に鍵があると、立った状態でこじ破りなどを行う必要があるため、見つかる可能性が高いです。
簡単にできる窓対策の詳しい説明はこちらの記事が参考になります。
あわせて読みたい:
賃貸物件でもすぐにできる!窓からの侵入を対策する簡単な防犯グッズ
年末年始・連休前に気をつけること
年末年始やGWなどの大型連休前にするべき防犯対策をまとめます。自宅が留守だと泥棒に気付かれないようにする対策には以下のものがあります。
- 郵便・新聞の配達を止める
- 郵便局に不在届を出すと、最長30日の郵便を止めることができます。新聞は、配達してくれている新聞販売所に連絡します。
不在届は、郵便局のホームページからダウンロードして、事前に記入することが可能です。 - 固定電話のメッセージに気をつける
- 「何日まで留守にしています」などのメッセージを入れないようにします。可能であれば、携帯電話に転送すると無難です。
- タイマーで照明器具やテレビの電源を入れる
- パナソニック「あけたらタイマ」を使うと、留守時に照明が自動でオン・オフの切り替えをします。
- カーテンの開閉グッズを取り入れる
- めざましカーテン「mornin’ plus」を使うと、自動でカーテンの開閉が可能です。
このほか、
- 自転車など高価なものを屋内に入れる
- 雨戸がある場合は、閉める
- ご近所に挨拶をしておく
なども有効です。特に、ご近所との連携はとても大事です。近年は、都市部の人の入れ替わりが激しいこともあり、ご近所付き合いがあまりない地域が多いです。
しかし、防犯面を考えると、ご近所付き合いは積極的に行った方がよいです。空き巣は、近所の人の目をとても気にするからです。
警察庁が公開するホームページ、住まいる防犯110番によると、63%の空き巣が、近所の人に声をかけられると犯行をあきらめます。
近所に住む方に、年末の挨拶のついでに「しばらく留守にします」と伝えておけば、万が一空き巣に入られたとしても、異変に気づいてもらえる可能性が高まります。
より高い精度で、泥棒の侵入を防ぎたいのであれば、、ホームセキュリティの導入や防犯グッズを使用することがおすすめです。
ズバットホームセキュリティであれば、大手のホームセキュリティの資料をまとめて請求できます。資料請求は、無料で行えます。
留守にするご自宅に導入するのもおすすめですし、離れた場所に住むご家族の家に導入するのもおすすめです。
家族が集まる年末年始、改めて自宅の防犯対策について話してみるのもよいかと思います。