空き巣は洗濯物を見てターゲットを決める、被害に遭わないための防犯対策とは
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空き巣の半数は、犯行前に入念に下見をしています。何度も住居侵入を繰り返しているプロの空き巣ほど、3回以上の下見を行っているとされています。
下見では、その家が「侵入しやすく、逃げやすいか」を判断します。空き巣をするのにもってこいだと判断された場合、ターゲットに選ばれてしまいます。
ターゲットを決めるとき、空き巣が注目しているのが洗濯物です。
洗濯物を見るだけで、その家に住んでいる人の情報をたくさん仕入れられるのが理由です。
空き巣がどのような視点で洗濯物を見ているのか、空き巣被害に遭わないためには洗濯物にどのような工夫をするべきか、についてお伝えします。
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目次
洗濯物からわかること
洗濯物を見ると、大きく分けて2つの情報がわかります。
- その家にどのような人が住んでいるか
- その家に住む人のライフスタイルはどうか
この2つの情報を総合して、空き巣はその家をターゲットにするかどうかを判断します。
洗濯ものから家族構成がばれる
干してある洗濯物を見るだけで大体の家族構成がわかります。
干されている衣類の量が極端に少なければ一人暮らしとわかりますし、子ども服があれば子どもがいる家だとわかります。ペット用品が干されていれば、たとえ外から確認できなくても、自宅内に動物がいることが想像できます。
衣類から性別を特定するのも簡単です。女性ものの衣類だけが干されていれば、女性の一人暮らしだから、万が一見つかっても逃げ切れると判断されるケースもあります。
むかしから、「女性が一人暮らしをするなら、お父さんの服を干しておきなさい」といったくだりが物語のなかで出てくる場合があります。これは、女性の一人暮らしだと空き巣にばれないための工夫です。
空き巣・泥棒は、犬が住んでいる家を避ける傾向にあります。犬が侵入者に気づいて吠える可能性があるからです。犬が一度吠え始めると、近所に住むほかの犬もつられて吠えます。
そのため、近所の人や道を歩いている人に侵入が気づかれやすくなるのです。
玄関前に猛犬注意のステッカーを貼っておくのは、来客に犬がいることを伝えられる一方で、空き巣に対して番犬の存在をほのめかす効果があります。
また洗濯物の中にペット用品があると、自分の家には番犬が住んでいるぞ、とアピールできます。
洗濯物からライフスタイルがばれる
防犯の観点から、洗濯物に関して避けて欲しいのが干しっぱなしにすることです。
朝から晩まで洗濯物を干しっぱなしにしていると、取り込む住人が不在であることを空き巣に教えてしまいます。
長いあいだ同じ洗濯物が干したままと、空き巣はその家が長期不在だと判断してターゲットにします。
また、雨の日でも外に洗濯物を干したままにしておくのも、避けた方が良いです。空き巣は雨のなか干され続けている洗濯物を見て、この家の住人は不在か、ものごとに頓着しない性格なのだなと判断します。
雨の中洗濯物が干しっぱなしになっている家は、内部も散らかっている可能性が高く、侵入がばれづらいと考えられるからです。
反対に、布団が干してある家庭の場合、空き巣は住人が在宅中だと判断するようです。布団は取り込むのが大変かつ、雨に濡れたらその日の寝床に困る重要なアイテムです。
布団を干しっぱなしにして外出する人は少ないです。空き巣は、干してある布団を見ると、住人が家にいるとみなして、侵入を諦めます。
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洗濯物の防犯対策
洗濯物から空き巣はたくさんの情報を入手します。自宅を空き巣のターゲットにしないためには、洗濯物の干し方に工夫をするのが重要です。
工夫の方針としては、
- 洗濯物を見えなくする
のがもっとも効果的です。
具体的な防犯対策についてお伝えします。
部屋干しをする
一番簡単に洗濯物の防犯対策をするなら、部屋干しがおすすめです。
洗濯物が外から見えないようにすると、空き巣に情報を与えません。空き巣はリスクを恐れます。家族構成やくわしい情報がわからない家は、リスクをおさえるためにターゲットに選びません。
ただし、いくら防犯のためとは言え、部屋干しを避けたいと考える人は少なくありません。部屋干しは、室内に湿気がたまるため、雑菌が増えやすくなります。
雑菌の増殖が原因で、衣類から生乾き臭がするようになるのです。
生乾き臭を避けるためには、
- 湿度管理
- 空気流れを使って早く乾かす
といった2つのポイントが重要です。除湿機やサーキュレーターといったアイテムの併用がおすすめです。
部屋干し対策法をマスターしておけば、梅雨時や台風のとき、雪が降っているときに活用できます。覚えていて損はしません。
生乾き臭をさせない部屋干し方法については、以下の記事にてくわしく解説しています。
以下の記事は、花粉症の方向けに、衣服に花粉をつけずに洗濯する方法について述べた記事です。部屋干しの方法や注意事項に関して詳細が記されています。
洗濯物にカバーをかける
においや室内のスペース的に部屋干しは難しい、できれば外に干したい、と考えている方には、洗濯物にカバーをかけるのもおすすめです。
ホームセンターなどのお店では、外から干しているものが見えないようにするカバーが多数販売されています。
不織布でできていて通気性が高く、中で湿気がこもりません。
特に、洗濯物を干す場所が人通りの多い場所に面している家ならば、カバーを利用するのがおすすめです。空き巣だけでなく、一般の通行人からも洗濯物を隠せます。
小型のすだれなどを使えば、日陰を確保できて夏の温度管理にも役立ちます。
洗濯物に目隠しをすることで、どんな衣類を干しているか見られなくなります。
しかし、注意していただきたいのは、目隠しをすることで空き巣に隠れるスペースを与えてしまう点です。空き巣の半数以上は窓から侵入します。そして、洗濯物を干している場所の近くには窓があるケースが多いです。
洗濯物を外から隠すと、空き巣の侵入経路である窓付近に死角を作ってしまうのです。
空き巣が隠れるために大きなスペースは必要ありません。大概の空き巣がしゃがみながら作業を行うので、小さめの洗濯物用カバーであっても油断はできません。
洗濯物カバーを使う場合は、付近に大きな死角ができないか確認することをおすすめします。
男性ものを一緒に干すのは避けた方がよい
女性の一人暮らしの場合、男性物の衣類と一緒に干しておけば空き巣に狙われない、との説をよく耳にします。
しかし、これは大きな間違いです。重要なのは、空き巣の多くは複数回下見を行う点です。
空き巣が下見に来る度に同じ男性用衣類が干してあると、空き巣は男性用衣類がカモフラージュであることを見抜いてしまいます。多くの女性が、カモフラージュ用の衣類を数着しか用意しないからです。
男性が一緒に暮らしているわけではないとばれると、空き巣のターゲットにされる可能性もあがります。男性物衣類を一緒に干してごまかすくらいなら、最初から洗濯物は見えない場所に干す方が、防犯上は良いと言われています。
室内干しが嫌なのであれば、ベランダの低い位置に干す方法もあります。
もし、どうしても男性用衣類を使って外干しをしたいのであれば、複数の衣類を用意する必要があります。
シャツ、インナー、下着などをそれぞれ一週間分程度用意して順番に干せば、空き巣の目をごまかすせます。
ただし、個人的には、この方法はおすすめできません。たとえ本当に男性が同居していたとしても、空き巣は入る家には入ります。
男性用衣類を用意するのであれば、同じ費用でほかの防犯対策にお金を使った方がよいと思います。
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洗濯物以外に気をつけた方がよい場所
空き巣のターゲットにならないためには、洗濯物以外にも気をつけた方がよいとされる場所があります。
洗濯物の干し方を見直すのと一緒に、自宅の防犯対策を見直すことをおすすめします。
ポスト・郵便受け
郵便受けには個人情報がたくさんつまっています。郵便物には、その家に住んでいる人の住所や名前などが記載されています。
どのようなところから郵便が届いているかによって、属性やライフスタイルを推理することもできます。
空き巣や泥棒、場合によってはストーカーも郵便受けの個人情報を盗み見ます。郵便受けは、居住者以外の人間が開けられないようにしておくのがおすすめです。
鍵をつけるのが手っ取り早くおすすめです。
また、郵便受けに大量の郵便物が放置されている状態なのもよくありません。郵便物がたまった状態だと、長期不在だと判断されて空き巣に入られるリスクが高まります。
面倒でも、こまめに郵便受けの中身を取り出しておきます。
郵便受けの隅や、表札の下、ドアの目立たないところなどにマークや記号が書かれている場合があります。これらはマーキングとよばれ、空き巣や訪問販売員がターゲットの家につける印だとされています。
具体的な例をあげると、
- D10-20
- W9-18
などのアルファベットや数字の組み合わせがあります。Dは大学生を意味し、10-20は10時から20時まで不在という意味です。つまり、D10-20は「ここに住んでいるのは一人暮らしの大学生で10時から20時まで不在だ」と教えていることになります。
また、Wは女性を指すので、W9-18は「女性一人暮らしで9時から18時まで不在」という意味になります。
自分の家にマーキングがあった場合、空き巣や訪問販売のターゲットにされている可能性があります。速やかにマークを消し、防犯対策を強化してください。
不審なシールや記号にも要注意です。
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窓からの侵入が一番多い
空き巣の侵入経路として一番多いのが窓です。窓ガラスを割って押し入る・あるいは無施錠のところから侵入するのが、空き巣の常套手段です。
逆に言えば、窓まわりの防犯を強化しておけば、大抵の空き巣は諦めます。
窓の解錠に5分以上手間取ると、7割以上の空き巣が侵入を諦めるというデータがあります。
一般的なクレセント錠だけだと、鍵周りのガラスさえ割れれば簡単に解錠できてしまいます。補助錠などの防犯グッズを使えば、空き巣を手こずらせられ、犯行を未遂に終わらせられます。
大手ホームセキュリティ会社ALSOKが開発した補助錠ALSOKロックは、窓ガラスに面する部分にALSOKのマークが入っています。
ALSOKマークは、空き巣や犯罪者を威嚇する効果があるので、おすすめです。
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