外出が多い高齢者には従来の見守りサービスは不十分、お出かけ先でも使える端末型サービス2選
※記事内に広告を含む場合があります
高齢者の生活を見守り、状況を遠く離れた場所に住む家族に伝える見守りサービスですが、欠点もあります。
ほとんどのサービスが、自宅内での見守りに限られたものだからです。まだまだ元気な高齢者で、頻繁に外出する方の場合、自宅内にいる時間は限られます。
従来の見守りサービスでは、家族は外出先での様子を知ることはできません。家の外でトラブルが発生しても、すぐに対応ができないのです。
私の祖母も、友達の家にでかけたり、バスで少し離れた観光地を訪ねたりして過ごしています。元気だなぁ、と安心する一方で、外出先で体調が悪化してもすぐに気付けないのは不安に感じます。
本記事では、外出が多い方でも安心して利用できる見守りサービスを解説します。取り上げるのは、セコムの「セコムみまもりホン」とアルソックの「まもるっく」の2つです。
※金額・手数料表記はすべて税込です。
目次
端末型の見守りサービス
外出先でも安心して利用できる見守りサービスの代表格が、端末型のものです。
セコムみまもりホンとまもるっくは、どちらも端末型の見守りサービスです。
実は、見守りサービスとしての機能は、セコムみまもりホンとまもるっくに大きな違いはありません。
どちらも、
- 位置情報検索
- 緊急通報・駆けつけサービス
- 24時間体制の健康相談
が可能です。
2つのサービスの違いを強いてあげるとするならば、携帯電話として使えるかどうかがあります。
セコムみまもりホンには、電話やメール機能が搭載されています。高齢者向けのスマートホンとして活用が可能です。
一方、まもるっくにも新機種から電話やメール機能が搭載されています。
基本サービス3つ
さきほども説明しましたが、端末型見守りサービスである、セコムみまもりホンとまもるっくは、機能がよく似ています。
特に重要な見守り機能は、
- 位置情報検索
- 緊急駆け付け
- 電話相談
の3つです。
まず、位置情報検索です。セコムみまもりホンと、まもるっくは、どちらもGPSを使って位置情報検索ができます。
家族の方が、パソコンやスマートホンを使って専用ホームページにアクセスすれば、いつでも現在地を確認できます。
緊急駆けつけは、セキュリティ会社のスタッフを呼ぶ機能です。端末のボタンを押すだけで、セキュリティ会社へ通報が可能です。
通報を受けたセキュリティ会社は、位置情報検索をして端末の場所を調べ、一番近くにいるスタッフに急行指示を出します。どこにいても、セキュリティスタッフが駆けつけてくれるので安心です。
電話相談は、24時間いつでも医療スタッフに健康相談ができるサービスです。セコムとアルソックは、どちらも24時間対応可能な専属看護師がいます。
たとえば、夜中に体調が悪くなったとき、高齢者の方は「かかりつけの病院が開いていない」「家族に迷惑をかけたくない」といった思いから、我慢してしまいがちです。
その結果、病状が悪化する可能性もあります。見守り端末の電話相談を使えば、夜中であっても、医療の専門家に相談が可能です。迅速な治療が必要だと看護師が判断した場合、セコムを介して119番通報をすることもできます。
見守り端末から通報すると、あらかじめ登録した「救急情報」が提供されます。
救急情報とは、利用する高齢者の持病、服用薬、かかりつけの病院、緊急連絡先などです。セキュリティ会社が通報を受け、必要だと判断して救急通報した場合、医療機関にこの救急情報が伝えられます。
高齢者の急な体調不良の場合、本人が救急隊からの質問に答えられないかもしれません。必要な情報が揃わないと、なかなか適切な処置を行えません。
迅速な治療を受けるためには、正確な救急情報が伝わることが重要です。少しの遅れが、命を左右する可能性もあるのです。
端末型見守りサービスを使えば、本人が答えられなくても、セキュリティ会社が代わりに情報を提供するので、スムーズに治療を始められます。
セコムみまもりホンのメリット
セコムみまもりホンにあって、アルソックのまもるっくにないメリットは、以下です。
- 安否確認機能がある
セコムみまもりホンは、名前の通り高齢者向けのスマートフォンです。
auが展開する、mamorino5と呼ばれるキッズ向けケータイを元に作られた端末です。※現在はmamorino6が最新モデルです。
スマートフォンといっても、誰でも使えるような構造なので、操作は簡単です。
とくによく利用する連絡先を2件を待ち受け画面に登録でき、ボタン1つで電話をかけられます。毎月、最大27分までの通話が無料なので、ご家族に気軽に連絡できます。
連絡先は最大49件登録でき、電話だけでなく、SMSも送受信可能です。
安否確認機能があるのも、セコムみまもりホンの特徴です。
あらかじめ設定した時間帯に、安否確認の画面を表示します。利用者がボタン操作をすれば、登録した家族の連絡先に結果が送信されます。
利用者による操作がなく、連絡がつかない場合は、セコムに要請すれば様子確認に行ってくれます。
安否確認画面の表示は、希望の時刻に変更が可能です。朝起きたときや、夜寝る前、食事時など、お好きなタイミングを選べます。
まもるっくは、位置情報検索が充実
まもるっくにあって、セコムみまもりホンにないサービスは、以下の2点です。
- 位置情報の通知システム
- 転倒検知
セコムみまもりホンの位置情報検索は、基本的に現在地を確認することしかできません。しかし、まもるっくは、現在地がわかるだけではありません。
あらかじめ設定したエリアにまもるっくが出入りすると家族のスマホに通知する、「エリア出入通知」や、あらかじめ設定した時刻の位置情報を取得する「定時刻位置検索」が可能です。
定期的に通う場所がある場合、そのエリアを登録しておくと便利です。たとえば、毎週通う病院を登録しておけば、「ちゃんと時間通りに通院できてるな」と離れた場所に住む家族が確認できます。
また、まもるっくには、センサーが内蔵されており、転倒して動けなくなったことを感知して、アルソックへ自動通報します。これが転倒検知です。大きな衝撃を感知すると、警報音が鳴ります。その警報をキャンセルする操作がなければ、倒れたまま動けなくなったと判断します。
端末型見守りサービスのメリット
端末型の見守りサービスを利用する最大のメリットは、「外出先へも持ち運べること」だと思います。
一般的な見守りサービスは、家のなかでしか使えません。自宅の外でトラブルが発生したときは、自力でどうにかしなくてはならないのです。
在宅時間が長い方なら、自宅のみの見守りでよいかもしれません。しかし、外出が多い方の場合、家の外でトラブルに遭う可能性も高いのです。
端末型の見守りサービスであれば、自宅の中でも、外出先でも、どこでも利用が可能です。
家族が居場所を確認することもできますし、通報ボタンを使ってセキュリティスタッフを呼ぶのも簡単です。外出が多い方は、端末型見守りサービスの方が、向いています。
セコムみまもりホンとまもるっくの料金
セコムみまもりホンとまもるっくの料金を比較すると、月額利用料金はまもるっくの方が安いです。
が、セコムみまもりホンには、自宅への駆けつけサービス利用が無料というメリットがあります。
どちらがより自分に適しているか、考えて選ぶことが重要です。
セコムみまもりホンの料金
セコムみまもりホンの利用料金を表にまとめました。
サービス名 | 料金 |
---|---|
加入料金 | 11,000円 |
月額料金 | 2,420円 |
現場急行料金(自宅) | 無料 |
現場急行料金(自宅以外) | 11,000円/回(1時間まで) |
位置情報検索(パソコン・スマホから) | 無料 |
位置情報検索(オペレーター) | 220円/回(1時間まで) |
通話料 | 17.6円/30秒 ※毎月最大27分まで無料 |
基本の利用料金は、初回の加入料金11,000円と毎月の2,420円(どちらも税込価格)のみです。
現場急行サービス、位置情報検索サービス、通話(SMSを含む)を利用するなら、別途料金が必要です。
気をつけていただきたいのが、現場急行サービスと位置情報検索は、利用方法によって料金が変わる点です。
現場急行サービスは、申請してある自宅へ駆けつけるのであれば料金はかかりません。しかし、外出先など自宅以外の場所への駆けつけは別途料金が必要です。
家族からの要請による、利用者の様子確認も有料です。
位置情報検索は、ご自身でスマホやパソコンを使って調べるなら無料です。セコムのオペレーターに電話して聞く場合は有料なので注意が必要です。
まもるっくの利用料金
まもるっくの料金プランはレンタルのみになります。
レンタル | |
---|---|
月額料金 | 1,870円 |
かけつけサービス出動料金 | 6,600円 |
通話料金 | 22円/30秒 |
SMS | 3.3円/回 |
位置検索 | 無料 |
※通話、SMS料金については、月額料金の中に最大440円分の無線通信料が含まれています。
まもるっくを通じて、ガードマンの駆けつけサービスを利用したとき、1回の出動につき6,600円が必要です。基本料金とは別に費用が必要なので注意してください。
セコムみまもりホンなら、1回の出動料金が11,000円なので、まもるっくの方がお得です。頻繁に通報や出動が予想されるのであれば、まもるっくの方がおすすめです。
GPS機能つき端末は、徘徊に通用するか
管理人としては、GPS機能付き端末を利用するメリットとして、「徘徊対策ができる」点をあげたいです。
今は活発に行動する高齢者であっても、高齢化が進み認知症を発症すると、徘徊リスクが発生します。
特に足腰が強くて、以前から歩く機会が多い方の場合、遠くまで行ってしまう可能性がとても高いです。突拍子もない場所に歩いていくので、家族で探すのも時間がかかります。
そんなときに、GPS端末を持っていれば、万が一徘徊で遠くに行ってしまっても、瞬時に現在地を特定できます。実際、GPS端末を利用する方の体験談には、「徘徊したときに探す手間が省けた」といったものがありました。
若くて元気なときから、GPS端末を持ち歩くことに慣れておけば、将来徘徊するようになったとしても、対策が可能です。
しかし、徘徊対策としてGPS端末を利用するには、問題点もあります。実際に徘徊をする高齢者は、寝間着の格好のままだったりと何も持たずに出歩くケースがとても多いのです。
わざわざGPS端末を持ち歩いて徘徊するのは、初期段階だけだと考えられます。重篤化した方の場合、持ち歩くタイプのGPS端末よりも、靴や服につけるタイプの端末の方が効果的かもしれません。
GPS機能付きの見守り端末は、初期の徘徊対策としては有効ですが、重篤化した場合は本人の行動パターンに合わせて利用する端末を変えるのが理想的かと思います。