侵入しやすい家は下見でわかる、空き巣が好む時間帯・曜日はあるのか
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犯人は常習犯であることも多く、捕まらないように慎重に行動するので、必ず下見をします。下見の段階で「侵入しにくい家」だと思わせ、空き巣を未然に防ぐことが大切です。
空き巣の被害にあうと、お金や大切な物が盗られるだけではありません。壊されたドアや窓を修理しなければなりませんし、なによりも安心感が失われます。
空き巣が嫌がる家にするために、下見をするときのポイントや、空き巣が増える時間帯・曜日をまとめました。
目次
泥棒(侵入窃盗)には3種類ある
泥棒には、空き巣・居空き・忍び込みの3種類があります。
- 空き巣(68%)
- 留守の家に侵入する
- 忍び込み(26%)
- 深夜、寝ている時間を狙って侵入する
- 居空き(6%)
- 家に人がいるときに侵入する、例えば家族がリビングに集まっている時間に裏口から狙う
泥棒のうち空き巣が68%を占め、もっとも多いです。忍び込み・居空きはメジャーではなく、言葉自体あまり知られていません。
しかし最近は、忍び込みでの犯行も増えてきています。
忍び込みは、泥棒の中では一目置かれた存在になります。人が確実に中にいる状況で侵入するので、捕まるリスクが高いからです。忍び込みを専門とした泥棒は「ノビ師」と呼ばれています。
ノビ師が増えている理由は、銀行預金やクレジットカードの普及から、家に現金を置いている人が少ないためです。
盗んでからすぐに使える上に足が付きにくいので、泥棒は現金を好みます。つまり忍び込みは、現金が確実に入っているであろう、私たちが普段持ち歩いている財布を狙っているのです。
忍び込みが怖い理由は、犯人と鉢合わせる危険性があるためです。ノビ師は音を立てずに行動することに長けています。トイレのために起きたり、水を飲みにキッチンに行くときに、忍び込み犯にあう可能性もあります。
居空きは、留守だと思って侵入したところ人がいたというケースが多いです。居空きを専門とする泥棒は少ないとされています。
家の裏で庭作業をしていることを確認して玄関から侵入したという事件もありますので、少しの時間でも鍵をしっかりと閉めることが大切です。
下見で注目するポイント
空き巣は下見をするときに「留守かどうか」「侵入のしやすさ」「逃げやすさ」をチェックします。家族構成や生活パターンを必ず調べ、侵入から逃走までの一連の流れを予行演習します。
公園がそばにある・商店街や観光地が近くにある家は、下見がしやすく、逃げるときにもすぐに人混みに紛れ込めるため、ターゲットにされやすいです。
インターホンを押して留守を確認
泥棒が留守を確認する方法はいくつかあります。代表的な状況は以下のとおりです。
- インターホンを押しても反応がない
- 郵便受けがいっぱいになっている
- 電話をかけても出ない、留守電になる
- カーテンやシャッターが閉まっている
- 洗濯物が雨・夜でも外に干されている
- 室外機が止まっている
特に郵便受けがいっぱいになっていたり、シャッターが何日も連続で閉まりっぱなしだと「長期不在」だと認識します。
旅行などで長期的に家を開ける場合は、新聞・郵便物の配達をとめるようにします。あえて電気をつけっぱなしにして出かけることもおすすめです。
留守電に「何日まで不在です」とメッセージを残したり、SNSで「海外に行ってきます」と明記することは、泥棒に有益な情報を与えることになるので注意が必要です。
干したままの洗濯物も、空き巣に「家族構成」「不在のタイミング」を教えるきっかけとなります。洗濯物に工夫をするだけで、空き巣の標的になることを避けられます。
洗濯物に関する防犯対策については以下の記事で詳しく説明しています。
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また、45%ほどの空き巣は「無締り」で侵入してきます。
無締りとは、鍵がかかっていない窓や玄関から侵入することです。侵入に時間がかからず、大きな音もでないので、泥棒にとっては絶好のチャンスになります。
マンションで上の階に住んでいるほど、油断してしまい、無締りの被害にあうことがあります。戸建てであっても、一部の窓のみが開いている状態は、目がつけられやすいです。
泥棒は自分の顔や姿を見られることを嫌うので、カメラ付きインターホンは防犯性が高いです。ただ、一部の古いタイプだとカメラに映る範囲が狭く、死角ができることもあります。
セコムのセキュリフェースインターホンは「顔認知機能」と搭載していて、マスクや帽子で顔を隠している不審な人物がインターホンを押すと、通常と異なる音で知らせます。
動画や静止画を保存しておけるので、いつでも確認することができます。
録画機能付きインターホンには、大きく分けて2つの種類があります。自宅の立地に合わせて種類を選ばないと、効果が半減する可能性があります。
自分の家に合ったインターホンの選び方については、以下の記事で紹介しています。
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クレセント錠に防犯性はない
入りやすく逃げやすい家は、空き巣のターゲットになりやすいです。
- 通行人の量
- 見通しの良し悪し
- 玄関や窓に鍵がかかっているか
- 鍵の種類は何か
戸建てでは、家を囲む塀が高かったり樹木で見通しが悪いと、とっさのときに隠れやすいので狙われやすいです。
もともと窓の真ん中に付いている、半回転させて閉める鍵は「クレセント錠」と言って、本来は窓の密閉性を高める目的で付けられているため、防犯性はありません。
クレセント錠を開ける手法はたくさんありますが、どれも空き巣にとっては慣れている作業で5分以内に侵入が可能です。
空き巣を侵入させないためには、窓の上部・下部に補助鍵をつけることが大切です。下見の段階で「侵入が難しい家」と思わせると同時に、万が一クレセント錠が開けられた場合でも時間稼ぎになります。
窓の防犯対策について詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になるかと思います。
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また、下見の段階で「マーキング」する犯人もいます。
マーキングは本来は訪問販売員が付けるものでしたが、空き巣もヒントに使います。表札・郵便受け・ドアの下などに、暗号のようなものが書かれてあればマーキングの可能性があります。
「W」なら独身女性、「D」なら大学生、「10-17」なら10時から17時は留守など、独自の記号を使って同業者にメッセージを送ります。
「◎は契約成立」など販売員に特有の印もありますが、性別や年齢がばれるため防犯の観点でも不安です。
万が一、玄関先や郵便受けに見たことのないシールが貼られていたり、ペンで印をされていた場合には、速やかに消すことをおすすめします。
散らかっている部屋・町は狙い目
狙われやすい町には以下の条件があります。個人の行動だけでなく市政も関係するので、大きく変えることは難しいかもしれませんが、意識しておきたいです。
- ゴミが指定日以外にも捨てられている
- 街全体が汚れている(ポイ捨てが多い)
- 線路・幹線道路が近くにあり大きな音がする
- 留守の家が多い
- 人に無関心・近所付き合いがない
もともと部屋に物が散乱している状態だと、泥棒が入っても何が盗られたのか気づきにくくなりますし、空き巣にとっては「侵入しやすい家」です。
同じように、ゴミの出し方などマナーが悪く、街全体が散らかっている印象があると「侵入しやすい家が多そう」と判断します。
また、空き巣だけで生計を立てている常習犯は、遠出をすることもあります。ターゲットにする街を決めるときに、Googleのストリートビューを使って下見することもあるようです。
近所の人に声をかけられたり、周囲の人の目が気になる家は狙いません。幼稚園や学校が近く、子供を通して付き合いがある地域は、空き巣にとって居心地が悪いです。
留守が多い平日が狙われやすい
泥棒が狙いやすい時間は午前11時、曜日は火曜日~金曜日、季節は秋が多いです。
- 午前11時
- 空き巣は10~16時に多く、忍び込みは深夜1~3時に増える
- 火曜日~金曜日
- 特に金曜日は侵入が多くなる、気の緩みが大きくなるため
土・日・月は空き巣被害が少ない - 秋
- 夏が終わってクーラーを消すので窓を開ける家が多い
平日は仕事・学校などで留守にしている家庭が多いため、空き巣にとって狙いやすい環境が整っています。空き巣が少ない曜日でも油断はできませんが、休日明けの月曜日は、被害が少ない傾向にあります。
夏はクーラーをかけていて窓を閉め切っている家が多いです。秋は涼しくなるにつれて窓を開ける機会も増えるので、泥棒にとっては侵入しやすい時期となります。日が暮れるのも早くなり、見通しが悪いです。
一方で、夏は泥棒が減る時期でもあります。
特に梅雨では、雨で足跡が残りやすくなるという空き巣にとってのデメリットがあります。ただ、忍び込みを専門にするノビ師は、雨の音が侵入の気配を消すため、梅雨の時期に増えるとも言われています。
空き巣は音と光を嫌う
泥棒が嫌がるのは「音」と「光」です。周囲に自分の存在を気づかれたくない心理が強いので、わずかな音にも敏感ですし、急に光が付くと驚いて逃げることもあります。
防犯対策は、ホームセキュリティに入ることが理想です。ホームセキュリティに入ると、音や光の出る機器を設置します。
セキュリティ機器が反応すると、近くで待機している警備員が自宅に駆けつけて対応してくれます。泥棒も、ホームセキュリティのステッカーが貼ってある家は避ける傾向にあります。
しかし、ホームセキュリティは費用が高くなりがちなのも事実です。
手軽にできる対策として、音を出す機器では開閉センサー・防犯砂利があります。光を出す対策では、人が近づくと反応して明かりが点く「センサーライト」が効果的です。
Focondotのセンサーライトは、ソーラー式で、人を感知して光ります。防犯対策ではもちろん、ガレージやベランダに明かりが欲しいときも便利です。
町になじんだ格好をしている
空き巣はビジネスマンが多いとスーツ、工場が多いと作業服と町に合った服装で下見をします。カメレオンのように変装するので、見た目で判断はできません。
下見で「狙いにくい家」と思われるためには、
- 留守であることを気づかせない
- 侵入しにくい対策をする
の2点が重要です。
空き巣は侵入に5分以上かかると7割は諦め、10分以上かかると9割が諦めると言われています。窓・玄関には、2つ以上の鍵を設置します。
もっとも大切なのは、短時間であってもしっかりと鍵を閉め、泥棒に隙を見せないことです。無締りをなくした上で、音や光を出すセキュリティ機器を設置すると、より効果は高まります。
万全の対策をしたい方には、ホームセキュリティの導入がおすすめです。次の記事が参考になるかと思います。
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