ほとんどの子どもが正しく防犯ブザーを使えない?親子で知っておきたい正しい使い方

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防犯ブザー

あなたは、いざ自分が危ない目にあったとき、正しく防犯ブザーを使用できる自信はありますか?

不審者から身を守るために子供も大人も持っているのが防犯ブザーです。登下校時の不審者対策や、ストーカー対策、痴漢対策としても使われています。

広く使われている防犯ブザーですが、実は正しく使うのがとても難しいと言われています。

成人した大人であっても、危険が近づくと焦って正しい判断ができなくなります。ましてや、小さな子どもは防犯ブザーを使うことすら思いつかない場合もあります。

今回は親子で知っておくと安心できる、防犯ブザーの正しい使い方や、正しく使うための定期的なメンテナンスについてお伝えします。

正しい使い方を知っておく・実際に練習しておくことで、自分に危険が降り掛かったときに冷静に対処できるようになります。

防犯ブザーの正しい使い方

防犯ブザー

防犯ブザーは、ただピンを引き抜いて大きな音を出せばいいと考えている人が多いです。しかし、大きな音が鳴るだけでは不審者を撃退できません。

誤った使い方をしてしまうと、さらに相手に追いかけられてしまう可能性があります。

防犯ブザーは正しい使い方をしないと効果を発揮できないのです。

防犯ブザーと一緒に声も出す

大声を出す男の子

たとえば、近所の小学生の登下校時にいたずらで防犯ブザーを鳴らしている子はいませんか。私が日中過ごしている場所の近くでは毎日のように防犯ブザーを鳴らして遊んでいる子がいます。

「今日も元気だなあ」と思いながら見ているのですが、それではいけません。本当に危険を感じたときに、周囲の人間に気づいてもらえないからです。

人目の多い通りであれば、音を出すだけでも周囲の注目を集められるので効果があります。しかし、人通りの少ない住宅街であれば、家の中にいる住人に危険を察知してもらわないといけません。

音を出すだけでは不十分なのです。

できるだけ多くの人に気づいてもらうためには、音だけでなく声も一緒に出すのが重要です。声を一緒に出すと、防犯ブザーの音が誤報ではないのが伝わります。

シンプルに「助けて」と叫ぶだけでも十分ですが、効果的なのは「火事だ」と叫ぶことです。

「助けて」や「不審者だ」などと叫ぶと、怖がった人は外に出てきません。むしろ自分の身を守るために、家に閉じこもる可能性があります。

火事だと叫ぶと、様子を見に外まで出てくる可能性が高まるのです。

防犯ブザーは遠くへ投げる

防犯ブザーの音を鳴らしたら、自分の進行方向と逆側へ投げるのが正しい使い方です。

これは、相手の興味を自分以外の何かに移すのが目的です。

たとえば、自分が防犯ブザーを鳴らしたまま走って逃げると、相手は最初よりも執念深く追いかけてくる可能性があります。はやく捕まえて防犯ブザーの音を止めたいからです。

鳴った状態の防犯ブザーを持ち続けると、自分自身にさらに危険が及ぶかもしれないので注意が必要です。

進行方向と逆に投げることで、相手は投げられたブザーに意識が移ります。そのすきにできるだけ遠くに逃げるようにします。

防犯ブザーは、それだけで不審者を撃退できる防犯グッズではありません。7割以上の不審者は防犯ブザーを鳴らされた瞬間に逃げると言われていますが、それでも3割は逃げずにその場に残ります。

鳴らすだけで撃退できると考えるのではなく、自分が逃げるチャンスを作るグッズだと考えた方がいいです。

よって、防犯ブザーを持ち歩くときは、常に投げることを想定しておくのがおすすめです。しかし、かばんにしっかりと固定してしまっていると、なかなか投げられません。

焦って取り外しているときに襲われる可能性もあります。あらかじめ簡単に取り外せるようにしておくと、いざというときスムーズです。

小学生のお子さまがランドセルに防犯ブザーを固定していると、取り外して投げるのは難しいです。

スムーズに取り外せない場合は、ランドセルなどかばんはその場に置いて逃げるようにします。防犯ブザーを鳴ったままにできますし、重い荷物を置けるので速く逃げられるようになります。

大事なランドセルをその場に残すことに抵抗があるかもしれませんが、身を守るのが一番大事です。

お子さまとよく話しあい、何を優先するかをしっかりと確認しておきましょう。

定期的なメンテナンスと練習が重要

話し合いをする親子

防犯ブザーの正しい使い方を知っていても、ブザー自体に異常があって使えなくては意味がありません。

また、いざというときに焦って体が動かなくても意味がありません。実際にブザーの音を鳴らしてみると、電池切れや接触不良に気づけます。

さらに実際の動きを確認しておくことで、極度に焦った瞬間でもスムーズに動けるようになります。

メンテナンスや練習は小さなお子さまだけでなく、大人にも必要です。いつでも正しく使えるよう、定期的にメンテナンスや練習をするのがおすすめです。

防犯ブザーの電池は2~3年で切れる

解体された防犯ブザー

防犯ブザーで一番多いトラブルが電池切れです。防犯ブザーに主に使われている電池は、ボタン電池か単4電池の2種類です。

これらの電池は約2~3年で使えなくなってしまいます。防犯ブザーの種類や使い方によってはもっと短い場合もあります。

小学生であれば、入学から卒業まで電池切れさせずに1つのブザーを使い続けるのは不可能なのです。必ずどこかで電池を入れ替えなくてはならないときが来ます。

完全に電池が使えない状態でなくても、音量が落ちたり、鳴るまでに時間がかかるケースがあります。電池の残量が少なくなっているかもしれないので、新しいものと取り替えてください。

防犯ブザーが電池切れになっていると、いざというとき自分の身を守れません。できれば1ヶ月に一度は音を鳴らして、状態をチェックしてみるのがおすすめです。

ちょっとした衝撃で接触不良を起こすことも

衝撃に弱い防犯ブザーだと、少しぶつけたり落としたりするだけで接触不良になる可能性があります。

特に小さなお子さまが持っている防犯ブザーの場合、知らない間にどこかにぶつけている可能性も高いです。

こちらも電池と同様に1ヶ月に一度を目安にチェックしておくと安心です。

電池を入れ替えても音が鳴らない場合は接触不良かもしれません。早めに新しいものに取り替えるようにします。

元気なお子さまが頻繁にブザーを壊してしまうのであれば、衝撃や水に強いタイプの防犯ブザーもあります。

長期休みには使い方の復習を

夏休みや冬休みなど、長期の休みは防犯ブザーの使い方を確認するのにうってつけです。

定期的に防犯ブザーの鳴らし方や、逃げるときの手順、逃げる場所などを確認しておくと安心です。

また、重要なのが相手とのやり取りの仕方です。特に気をつけるべきポイントとして、

  • 知らない人の誘いにのらない
  • 常に一定の距離を取る

の2つがあります。

すべての不審者が怪しい行動をするとは限りません。むしろ巧妙にふるまうケースが増えていて、子どもが不審がらないこともあります。

とにかく「知らない人」からの誘いに乗らないよう徹底させなくてはなりません。

「お母さんが病気になったから病院まで連れて行ってあげる」「人気のおもちゃをあげる」「道を教えて欲しい」などのよくある手口を親子で確認しておくといいです。

子どもには、知らない人から声をかけられたら「お母さんに確認します」「知らない」「いらない」と断るように教えてあげます。

そして、相手とは一定の距離を取るように教えておくのもポイントです。相手との距離が近すぎると、いざ防犯ブザーを鳴らしても逃げきれない可能性があります。

大人が手を伸ばしても触れないくらいの距離を取るようにします。これは、実際に動きながら練習をしたほうがイメージが湧きやすいです。

保護者が不審者役となって、どれくらいの距離を取れば安全かを教えてあげます。また、相手が距離を詰めてきたら、一歩下がる方法を練習しておくのもおすすめです。

定期的に練習を繰り返して、危険を感じたときに自然と防犯ブザーに手が伸びるようにしておくと安心です。

効果的な防犯ブザーの選び方

通学中の小学生

防犯ブザーにはいろいろな種類があって、選ぶのが大変です。子どもによって使いやすいものと使いにくいものがあります。また、通学時にどのような場所を通るかによっても適したものは違います。

ブザー選びの目安として、

  • 音量
  • 鳴らしやすさ

のそれぞれの項目についてお伝えします。

音量は90デシベルのものを選ぶ

騒音

全国防犯協会連合会は、防犯ブザーの基準音量を85デシベルと定めています。一般的に売られている防犯ブザーの最大音量はこの85デシベル以上です。

85デシベルがどれくらいの大きさかというと、ピアノの音や窓を開けた地下鉄の車内とおなじくらいだと言われています。

最大音量が85デシベル以下の製品は基準値を下回っているのでおすすめできません。

では、どれくらいの音量のものを選べばいいかというと、私のおすすめは90デシベルのものです。

理由は、交差点や騒々しい町中など通学路となりやすい場所の騒音よりも、少し大きい音だからです。

騒々しい町中は大体70デシベル、交差点は80デシベルだと言われています。防犯ブザーの音量が街の騒音と同じぐらいだと、鳴らしても他の人に気づいてもらえません。

周囲の音よりも5~10デシベル大きいブザーを選ぶのが重要です。90デシベルの防犯ブザーであれば、町中や交差点もカバーできます。

もっとうるさい場所を通るのであれば、より大きな音量が出る防犯ブザーを選ぶのがおすすめです。

ただし、100デシベル以上のものは、あまりの音の大きさに鳴らしている自分自身が耳に痛みを感じることがあります。

大音量タイプの防犯ブザーがたくさん売られていますが、うるさすぎるとデメリットがある点に注意してください。

音の鳴らし方も重要

音量とあわせて重要なのが、鳴らし方です。防犯ブザーを持っていても、うまく鳴らせなくては意味がありません。

一般的にはピンを引き抜くタイプが多いですが、ピン自体を紛失してしまうとブザーが止められなくなるデメリットがあります。

紛失防止のためにピンがかたいものも販売されていますが、力が弱い子どもには引き抜くのが難しい場合もあります。

おすすめなのは、ピンが完全に抜けてしまわないタイプのブザーです。紛失の恐れもなく、間違えて鳴らしてしまってもすぐに止められます。

また、ボタンを押すタイプの防犯ブザーもあります。

ボタンを押すだけで簡単に音を出せるので、焦っているときでも操作しやすいです。しかし、物にあたって鳴ってしまうリスクもあります。

お子さまと話し合って、どのようなタイプだと使いやすいのか相談してから購入するのがおすすめです。

ホームセキュリティ会社が販売している防犯ブザーの中には、ボタンひとつで警備員が駆けつけてくれるサービスが付属しているタイプもあります。

ALSOKのまもるっくは、GPS機能を活用するので、どこにいても最短時間で駆けつけてくれます。

まもるっく 公式サイトはこちら

まもるっくについてくわしく解説している記事はこちらです。

アルソック

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
遠い土地に住む祖母が一人暮らしになったのをきっかけに、自宅の防犯対策について興味を持ちました。週一で散歩のついでにいろんな家の防犯対策をチェックしています。

より良い情報をお届けするため、ホームセキュリティの教科書 編集部 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

ありがとうございます。

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