居空きは犯人と鉢合わせる可能性があって危険、手口と効果的な対策法を解説

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強盗と女性

居空きとは、空き巣・忍び込みと並ぶ侵入犯罪の一つです。空き巣という言葉は聞いたことがあっても、居空きや忍び込みといった言葉を聞いたことがある方は少ないです。

実は、居空きは空き巣以上に危険だと考えられている犯罪です。ふとした瞬間に犯人が逆上して住民に危害を加える強盗になる可能性が高いからです。

警察の統計によると、近年空き巣の認知件数は減少傾向にあるにも関わらず、居空きや忍び込みの認知件数はわずかに増える傾向にあります。

金品を盗まれるだけでなく、怪我をしてしまう可能性が高い居空きには十分な対策が必要です。

今回は、居空きの手口や発生状況、より効果的な対策方法を説明します。

居空きの手口と発生状況

窓から侵入した泥棒

警視庁の調べによると、居空きの都内での発生件数(2018年度)は141件でした。侵入犯罪全体のうち、約3%が居空きだったということになります。

わずか3%なら、あまり気にしすぎなくてもよいのでは?と疑問を持つ方もいるかと思います。

しかし、居空きは空き巣以上に危険性が高い犯罪です。ちょっとしたきっかけから、強盗致傷や強盗殺人などの大きな事件へ発展する可能性があるのです。

居空きが空き巣以上に危険だと考えられている理由は、その手口にあります。

居空きは住人が在宅中に侵入する

読書している女性

居空きが危険だと考えられる最大の理由は、住人が在宅中に侵入する手口だからです。

一般的に、侵入犯罪は、空き巣、忍び込み、居空きの3つに分類されます。それぞれの特徴は以下のとおりです。

空き巣
住人が不在の間に住宅に侵入して、金品を盗む手口
忍び込み
住人が就寝している夜間に侵入して、金品を盗む手口
居空き
住人が在宅中に隙をついて侵入し、金品を盗む手口

空き巣は住人が家にいない状態を狙います。そのため、住人と犯人が鉢合わせる可能性は非常に低いです。その代わり、侵入時間が長い傾向があるので、盗まれる金額が大きくなりやすいです。

忍び込みは、住人が就寝している夜間に侵入します。空き巣以上に犯人と鉢合わせる可能性が高く、注意が必要です。夜間の侵入は、近所の人通りも少なく暗いので泥棒にとっても仕事がしやすい時間帯です。

そして、居空きは日中住人が自宅に居る間に侵入する犯罪です。警視庁の調べによると、住人が昼寝をしたり食事をしているときに侵入するケースが多いです。

住人が普段通り生活しているときに侵入するので、当然鉢合わせる可能性がとても高いのです。

居空きは、空き巣・忍び込みと比べると発生件数は少ないです。しかし、その分危険度が高い犯罪でもあります。

鉢合わせると強盗化する恐れも

居空きの恐ろしい点は、強盗化する可能性が高いところです。

侵入犯罪をする犯人は、最初から住人を傷つけるつもりはない場合がほとんどです。住人を傷つけてしまうと、いざ自分が捕まったときにより重い罪に問われるからです。

武器になりそうなものを何も持たずに侵入する犯人もたくさんいます。

しかし、万一住人と鉢合わせると、捕まりたくない焦りから強盗化する可能性があります。

居空きをする泥棒は、住人が在宅中だというリスクを背負って侵入してきます。それだけ必死なので、無理やり犯行を続けようとするかもしれません。

犯人自体が武器を何も持っていなくても、家の中には危険なものがたくさんあります。侵入した家の台所から包丁を奪って、住人を脅したケースもあります。

包丁の他にも、工具や重いものは十分な武器となりえます。

怪我や危ない思いをしないためにも、居空きに適した防犯対策は非常に重要です。

個人的には、居空きには他にも恐ろしい点があると考えています。

万が一犯人と鉢合わせしたら、脅されて重要な情報を喋らされる可能性があるからです。

例えば、

  • キャッシュカードの暗証番号
  • 現金やカード類の隠し場所

などが考えられます。これらを聞かれて答えてしまうと、被害金額がより高くなってしまいます。

居空きは窓から侵入する

空き巣の侵入経路

居空き被害を防ぐためには、窓の防犯対策が非常に重要です。というのも、多くの犯罪者が窓から侵入するからです。

忍び込みや居空きなどの住人が在宅中に侵入する犯罪は、一戸建て住宅が狙われやすいです。部屋数が多く、それぞれが離れているため、侵入しても住人に気づかれにくい特徴があります。

上記の画像は、一戸建て住宅が被害にあった侵入犯罪のデータをまとめたものです。

侵入経路として最も選ばれるのが、窓です。約6割の犯人が窓から侵入しています。つまり、窓の防犯対策をきっちりするだけで6割の侵入犯罪を撃退できます。

それだけ窓の防犯対策は重要なのです。

さらに、侵入手段として一番多かったのが無締りの窓を選ぶ方法です。46.4%の泥棒が無締りの窓を探して侵入しています。

在宅中だから大丈夫だろうと考えて、誰もいない部屋の換気をするのはおすすめできません。換気をするために窓を開けるのであれば、誰か人がいるときにした方がよいです。

次いで多かったのがガラス破りです。ガラス破りは、特殊な器具を使えばあまり音をたてずに行えます。在宅中であってもガラスが割られたことに気づかないケースも多いのです。

手慣れた泥棒であれば1分もあればガラスを破って侵入できます。ガラス破りをさせないためには、いっぱんてきなクレセント錠だけでなく+αの施錠があれば安心です。

居空き対策のポイント

ポイント

居空き対策をするときには、

  • 住人と鉢合わせる可能性が高い
  • 窓から入ってくるケースが多い

点を意識するのが重要です。

まず、居空きは住人と犯人が出会ってしまう可能性が非常に高いです。非常に危険であるため、最悪の事態に遭う前に、自宅の異変に気づけるようにしておくのが重要です。

おすすめなのは音で気付けるようにしておくことです。窓や扉が不正に開けられたときに警報がなる仕組みを利用すれば、いざという時にはやく対処行動を取れます。

そして、居空きは窓から入ってくるケースが非常に多いです。窓についている鍵はクレセント錠と呼ばれる半月型のものが多いです。

実は、クレセント錠には防犯効果はありません。あくまで窓が勝手に開かないように固定するだけのものです。窓から侵入者が入ってくるのを阻止するのであれば、クレセント錠以外の鍵を設置する必要があります。

窓の防犯効果を高めるだけでなく、その周囲の環境づくりも重要です。

たとえば、窓周辺に大きな樹木があったり荷物を置いたままにしていると、侵入犯の隠れ場所になります。

泥棒が侵入するためには大きなスペースは必要ありません。大人がしゃがんで作業できるスペースさえあれば、簡単に侵入できます。

小さな死角でも命取りとなるのです。窓の近くにはものを置かず、見通しの良い状況を保つのがおすすめです。

窓付近の死角の危険性については以下の記事で説明しています。

居空き対策におすすめのグッズ

侵入者

居空き対策のポイントを踏まえて、私がおすすめする防犯グッズは2つです。

  • 窓用アラーム
  • 補助錠

これらは窓に設置する防犯グッズです。居空き被害の約半数は窓からの侵入です。そして、多くの侵入犯罪者は事前にターゲットの家を下見しています。

たくさんの下見をした中で、特に侵入しやすそうな家をターゲットに選ぶのです。

窓に防犯対策をしていれば、実際に侵入されたときに防げるだけでなく、事前の下見の時点で犯行をあきらめさせることができます。

それぞれのグッズの特徴を説明します。

窓用アラームで異変に気づく

ヤザワの窓アラーム

窓用アラームとは、窓に設置するセンサーアラームを指します。窓が開けられると大きな音を出して知らせてくれるので安心です。

安価で買えるものが多数販売されている上に、多くが工事不要で設置できます。

手軽に居空き対策ができるのでおすすめのアイテムです。

空き巣対策における窓用アラームは、どちらかというと泥棒本人を威嚇するためのものでした。大きな音に驚いた犯人が逃げるように仕向けるグッズなのです。

しかし、居空き対策における窓用アラームは、住人に異変を知らせる意味合いが大きくなります。自宅の異変にいち早く気付けることで、警察に通報したり身の安全を確保できる時間がつくれるのです。

私がおすすめする窓用アラームは、ヤザワのガラス振動センサーアラームです。

Amazonでは1,000円以下で購入できます。

この窓用アラームがおすすめな理由は、110デシベルの大音量で知らせてくれるからです。一戸建て住宅など部屋数が多い家にアラームを設置する場合、とても重要なのが音量です。

音量が小さいものだと、離れた部屋に居る住人が聞こえないリスクがあるからです。

110デシベルというと、大体車のクラクションと同じくらいの大きさです。一般的な防犯ブザーの音量が90デシベル前後なので、とても大きな音であるのがわかります。

離れた部屋にいても、アラーム音に気づくことが可能です。

両面テープでつけるタイプなので、誰でも簡単に設置できます。定期的な電池交換が必要なのがネックですが、アラームが鳴らない状態であれば3ヶ月間連続で使用可能です。

窓用アラームには、大きく分けて2つの種類があります。

  • 窓の衝撃を感知するタイプ
  • 窓の開閉を感知するタイプ

の2つなのですが、これらは適した家や使い方が違います。

窓用アラームのより効果的な使い方については、以下の記事で詳しく説明しています。

補助錠で泥棒をあきらめさせる

1ドア2ロック

防犯には1ドア2ロックという考え方があります。窓やドアに2つ以上の鍵をかけることで、防犯力が高まるとする考え方です。

泥棒の大半は、侵入に5分以上かかるとあきらめます。警察に捕まりたくないので、少しでも侵入が難しいと考えるとあきらめるのです。

1ドア2ロックは、窓の防犯力を高めることで、侵入をあきらめさせる効果があるのです。

簡単に1ドア2ロックを実現できるアイテムとして補助錠があります。窓用アラームと同じくテープでくっつけるだけのものが多く販売されており、設置の手間がかかりません。

中でもおすすめの補助錠がALSOKロックです。

最大の特長が、表面に印刷されたALSOKのロゴマークです。大手セキュリティ会社のロゴマークは、ホームセキュリティを契約した人に配布するステッカーか、公式グッズにしか使えません。

大手会社のロゴマークがついているだけで、侵入犯に対して威嚇が可能なのです。

Amazonで2,000円以下で購入でき、安価であるのもメリットのひとつです。

ALSOKロックは、鍵をかけた状態で換気することもできます。こまめに換気したいリビングや寝室の窓におすすめの防犯グッズです。

以下の記事でALSOKロックの使い方やメリットを詳しく説明しています。動画での解説もあるので、実際の使用感がわかりやすいかと思います。

アルソック

侵入犯罪対策に関する記事はこちら

この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
遠い土地に住む祖母が一人暮らしになったのをきっかけに、自宅の防犯対策について興味を持ちました。週一で散歩のついでにいろんな家の防犯対策をチェックしています。

より良い情報をお届けするため、ホームセキュリティの教科書 編集部 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

ありがとうございます。

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