女性の一人暮らし、訪問者がスーツを着ていたとしても油断は禁物、対応の方法と事件事例
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女性に限らず、一人暮らしをしていると、自宅にたくさんの訪問者がやってきます。本当に正当な理由があって来る人がほとんどですが、なかにはよからぬ目的のために訪問する人もいます。
特に女性の一人暮らしの場合、相手の高圧的な態度に恐怖を感じたり、はっきりと断れない可能性もあります。一人暮らしの女性が事件に巻き込まれるケースは、毎年たくさん発生しています。
訪問者がスーツや制服などきちんとした格好だったとしても、油断は禁物です。
犯罪者は、自分を信用させるために、ありとあらゆる手段を使います。清潔感のあるビジネスマンを装うためにスーツを着たり、工事会社の制服を着たりします。
訪問者がスーツを着ていて、きちんとした人に見えたとしても、十分注意が必要なのです。
本記事では、一人暮らしをする女性が気をつけるべき訪問者について解説します。どのような対応をするべきかや、実際に起こった事件の事例も紹介します。
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勧誘業者に要注意
対応が大変な訪問者として、一番多くの声が集まったのが、勧誘業者です。
彼らは自社サービスへの入会をすすめるために来ます。悪質な業者のなかには、居住者のライフスタイルを把握して、帰宅すると同時に訪問するところもあります。
はっきりと断らず、あいまいな態度を見せると、いつまでも訪問が続きます。必要ないと、言葉と態度でしっかり示すことがとても重要です。
訪問販売
訪問販売のなかには、悪質な手口を使う業者があります。彼らは、お客さんによい印象を持ってもらおうと、スーツを着ることが多いです。
来客予定がないのに、訪問してきたスーツ姿の人は、訪問販売員である可能性が高いです。
もちろん、善良で常識的な販売員の方もいるので、スーツ姿だからといって、全員が悪質なわけではありません。ただ、悪質な手口を使う業者もあることを念頭において対応することが大事です。
一番大事なことは、はっきりと断ることです。中途半端に、「考えておきます。」「今は手が離せなくて」と言い訳をしてやり過ごすのは、良策ではありません。いらない、としっかり宣言することが重要です。
相手の反応が怖い場合は、インターホンやドア越しにやり取りする、ドアを開けるときもチェーンはかけたままにするなどの対策がおすすめです。
そして、悪質な訪問販売業者の間では、顧客の情報を共有するケースがあります。共有方法として、以前から使われてきたのがマーキングです。
マーキングとは、一部の人しかわからない特殊なマークを玄関付近につける手法です。
マーキングで使われるマークには、いくつかの種類があり、おもに使われるのは、「記号」「数字」「アルファベット」です。
以下は、マークのおもな例と、その意味です。
記号を使ったマーク
- ◯:営業話をじっくり聞く
- △:営業の効果あり、あとひと押し
- ◎:成約済み
- ☆:押しに弱い性格
数字を使ったマーク
- 20:20代
- 918:9時から18時までは不在
- 3:3人家族
アルファベットを使ったマーク
- M:男性
- W:女性
- D:大学生
- F:ファミリー
- S:シングル、一人暮らし
このマークは、訪問販売員だけでなく、空き巣がターゲットの情報記録のために使うこともあります。
表札や門にこういったマークがある場合は、速やかに消すのがおすすめです。硬いもので傷をつけてマーキングしてある場合は、上から保護シールを貼るなど、見えなくなるようにしておきます。
マークの存在に気づいたぞ、と相手にアピールすることが重要です。
以下の記事で、マーキングのもっとくわしい説明や対処法について記述しています。マーキング行為をもっと知りたい方は、こちらを参考にしてください。
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水道・ガスの工事
大家さんや不動産会社から何も聞いていないのに、急に水道やガスの工事担当者が来たときは要注意です。
工事担当者や点検担当者だと名乗って相手を信用させ、代金を請求したり、自宅内に侵入して家財を盗んだりする手口があります。女性が性被害にあったケースもあります。
彼らは、作業着やベストなど「それらしい」服を着て現れます。普段から高い防犯意識を持つ人でも、騙される可能性があります。
神奈川県の公式ホームページには、以下のような事例が紹介されています。
水道局の職員を名乗るベスト姿の若い男が訪れ、「水道・下水道使用量のお知らせ」の通知書を示し、「水道料金の集金に来ました。」として通知書に料金予定金額として記された数万円をだまし取った。
通知書は本物で、水道メータの検診後に郵便受けに入れたものが盗まれ、悪用された可能性もある。
水道局職員を名乗る2人組みが「水質検査に来た」とやって来た。家人が1人を水道メーターのところに案内しているスキに、もう1人に家の中にあった金品を盗まれた。
管理人から何も説明されていないのに、急に水道やガスの担当者が訪ねてきた場合は、以下の対処をするのがおすすめです。
- 正規職員と確認できるまで家に入れない
- 身分証明書の提示を求める
- 担当の水道・ガス営業所に連絡する
すぐ家には入れず、正規職員であることの確認をしてください。
たまに、夜間に訪問してくるケースもあるようですが、ほとんどの水道・ガス営業所では夜遅くの訪問は行っていません。遅い時間の訪問は、高い確率で偽物だと判断してよいと思います。
あまりに悪質であれば、警察へ連絡してください。
NHKの集金
NHKの集金係が頻繁にたずねてきて困るという話は、ネットでもよく話題になります。
基本的に、NHKは、テレビ(テレビ放送が見れるパソコン、ワンセグ対応端末を含む)を設置した人全員が、放送受信料を払わなくてはなりません。
放送受信契約とは
NHKの放送を受信できるテレビ(チューナー内蔵パソコン、ワンセグ対応端末などを含みます)を設置された方に、結んでいただくものです。
この放送受信契約に基づき、放送受信料をお支払いいただきます。
ケーブルテレビを通してNHKの放送を受信できる場合も、放送受信契約が必要です。一方、ラジオだけ設置されている場合、放送受信契約は必要ありません。
2017年12月には、最高裁判所が、テレビを持つ世帯が受信料を支払うことは義務だ、という判決を下しました。さらに、2019年8月15日には、政府が「契約を締結したものは、受信料を支払う義務がある」と閣議で答弁書を決定しました。
しかし、逆を言えば、テレビを見る環境が自宅にない場合は、受信料を支払う義務は発生しません。NHKだと言われると、「払った方がいいのかな。」と不安になりますが、テレビがないのであれば、はっきりと「無い」と伝えることが重要です。
私の家の場合、表の通りから、アンテナを設置しているかわかりません。そのため、何度かNHKの集金係の方が訪問したことがありました。
また、友人は引っ越しして間もないタイミングで、集金係の人が訪問したそうです。自宅にテレビがないことや、パソコンにもチューナーが内蔵されていないことを説明してからは、訪問はないと言っていました。
警察官にも偽物がいる
ここまでスーツを着た販売員や、作業着を着た水道・ガス担当者などの話をしてきました。が、これら以上に本物と間違えてしまいやすいのが、警察官です。
私自身、警察官の制服を着た人が訪問してきたら、すぐに信用してしまうと思います。
というより、警察が訪ねてきたことで、「近くで事件があったのかな」「なにか間違ったことをしてしまったのかな」と不安になり、正常な判断ができなくなるといった方が近いかもしれません。
そんな私達市民の心理を逆手にとって、警察官を名乗り、自宅に侵入したり個人情報を盗む犯罪者がいます。
その一方で、本物の警察官が地域の見回りのために、住人の名前や家族構成を聞くこともあります。
急に警察官が訪ねてきたときにどう対応するべきか、実例を踏まえて説明します。
筆者の友人の場合
私の友人が、「引っ越してしばらくしたときに、警察官が突然訪ねてきてびっくりした。」と言っていたのでくわしく話を聞きました。
友人によると、引っ越してから1週間~2週間経った頃、急に警察官が訪ねてきたのだといいます。要件は、「地域巡回」とのこと。地域にどんな人が住んでいるか把握したいので、用紙に記入して欲しいという依頼でした。
用紙は、住所や名前など個人的な内容を記入するもので、友人は不安を感じたそうです。目の前の警察官が本物かどうか判断できなかったからです。
友人がためらっているのを理解したのか、警察官は「後日、近くの交番に提出してくだされば結構です。」と言って、その場で用紙を書くことを強制しませんでした。
提出先が交番だったら、詐欺ではないだろうと判断した友人は、その場で提出はせず、後日記入したものを最寄りの交番に届けました。
受け取った警察官に、「ご協力ありがとうございました。」と言われ、友人は用紙が本物であることを確信したと言っていました。
警察官が来訪したときの対処法
友人以外にも、同じような経験をした方がいます。
日刊スポーツのウェブサイトには、以下のような体験談がコラムとして掲載されています。
先日の昼間、自宅のドアホンが「ピンポーン」と鳴ったので宅配業者かと思い、モニターを見てみると、そこに映っていたのは警察官の制服を着たいかつい男性。
直接対面すると、その男性は改めて「○○警察の○○です」と所轄署の署員であることを名乗った。「何か事件でもありましたか?」と聞くと、事件でも家宅捜索でもなく、定期巡回連絡業務でベルを押したという。
目の前にいる人はかなりの高確率で本物の「○○警察署の警察官」だと思われたが、ひょっとしたら「警察官を装って、巡回連絡業務を演じて、個人情報を丸々聞き出そうとしている人」である可能性も、このご時世、絶対にゼロだとは言い切れない。
日刊スポーツウェブサイトより抜粋
この方も、友人と同じように地域巡回で訪れた警察官が本物かどうかで悩んだそうです。
結局この方は、用紙に記入しないという選択をしました。が、ほかにも似た経験をした方は、警察官から以下のようなアドバイスを受けたそうです。
- 警察官であっても疑う姿勢を持つことはとても重要
- 偽物の制服や手帳を見せて信用させるケースもある
- 所属を聞いて、その所属に電話するのが確実
- 私服警官もいるので、制服を着ていなかったら偽物というわけではない
もっとも確実な方法は、来訪した警察官が所属する交番や警察署に電話することです。「○○署○○課の○○さんと名乗る方が来ていますが、そのような方が本当に所属していますか?」と聞くとよいです。
所属確認のためだけに警察に電話するのは、気が引けるかもしれません。が、これが警察官がおすすめする、確実な確認方法です。
私がこれらのアドバイスを聞いて怖いと感じたのは、警察手帳を提示してくる偽物がいるという点です。これまで、私は「目の前の人間が警察官かわからなければ、警察手帳の提示を求めればよい。偽物は持っていない。」と教えられてきました。
そのため、警察手帳さえ見れば、本物の警察だと思い込むでしょう。私以外にも、警察手帳さえ見れば本物と判断できると考える人は多いと思います。
犯罪者は、警察手帳さえたくみに偽造します。警察手帳だけで安心するのではなく、所属組織に確認を取ることも重要なのです。
まとめ
一人暮らしをしていると、いろんな訪問者がやってきます。そのすべてが悪人なわけではありませんが、十分な注意が必要なのは確かです。
事前に訪問者の対応方法を知っておけば、いざ本当にやってきても落ち着いて行動できます。
すでに不審な訪問者がきていて不安な方には、一人暮らし住宅でも利用できるホームセキュリティがあると安心です。ホームセキュリティというと、持ち家がある人が契約するイメージがあります。しかし、実際には賃貸住宅でも契約できるものがたくさんあります。
以下の記事で、一人暮らしの方でも利用できるホームセキュリティについて触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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