ゴミ捨ての間も鍵を閉めないと、空き巣に狙われるリスク増?理由と対策
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ゴミを捨てる間や近くのコンビニに行くまでの間、鍵をかけている方はどれくらいいるでしょうか。
私が知人の話を聞いたところ、「1分以内でつく場所にごみ捨て場があるからかけてない」「オートロックのマンションに住んでいるから、大丈夫だろう」といった人がほとんどでした。
不動産会社の調査でも、ゴミ捨てや軽い外出では鍵をかけないという人が過半数を占めています。しかし、結論から言えば、短時間の外出であっても鍵はかけるべきです。
ほんの短い時間を狙う犯罪者はたくさんいます。空き巣は、5分もあれば鍵を外して侵入します。手慣れていれば、1分もかからずに鍵を開けられるそうです。
鍵がかかっていなければ、もっと侵入にかかる時間は短くなります。ちょっとした外出のつもりでも、十分な注意が必要なのです。
かといって、ドアから出る度に鍵をかけるのは面倒なこともあるでしょう。そこで私は、「玄関が見えない場所まで行くときには、必ず鍵をかける」という基準を提案したいと思います。
ちょっとした外出時の鍵について、役に立ちそうな情報をまとめたので、ご覧ください。
普段から鍵をかけない人が多い
近年日本人の防犯意識が高まっていると言われていますが、それでも鍵をかけずに外出する方はとても多いです。
地方では、鍵をかけた方が、地域コミュニティーを信用していない証拠としてとらえられるといった声も聞きました。確かに、私の祖父母宅では、就寝時以外は鍵は開けっ放しでした。
一方、都市部でも、ゴミ出しやコンビニへの買い物程度なら、鍵をかけずに出かける人が多いようです。
住宅設備機器を開発・販売するLIXIL(リクシル)の調査によると、東京・大阪・愛知に住む1,500人の主婦のうち、47.7%の方が施錠せずに外出することがあると回答しました。
さらに、15.7%の方は無施錠のまま5分以上の外出をしたことがあるとわかりました。
無施錠のままの外出の主な場所は、
- ゴミ捨て
- 最寄りのコンビニへの買い物
- 散歩
- スーパーへの買い出し
などが上位を占めます。また、無施錠のまま出かける理由として、「すぐに帰ってくるから」「これまでも無施錠のまま外出したが、泥棒被害に遭ったことがないから」といった声が多く聞かれます。
が、実は、無施錠の家こそ空き巣などの侵入犯罪犯に狙われやすいのです。短い時間外出するだけであってもです。
無施錠の家が一番空き巣に狙われる
上のグラフは、警察庁が調べた2018年のデータをまとめたものです。空き巣がどこからどのように侵入するかを見える化しました。
ここで注目してほしいのが、侵入手段のランキングです。46.4%の空き巣が、無施錠の場所を選んで侵入しています。
このデータは一戸建て住宅の場合のみをまとめたものですが、マンションやアパートなどの集合住宅でも変わりません。一番狙われているのは無施錠のドアや窓です。
無施錠のドアや窓があれば、空き巣に狙われる確率が格段にあがります。というのも、空き巣は、ターゲットと決めた住宅の構造や住民の生活を把握しています。
複数回の下見を重ねて、何時に誰が出かけるのか、鍵をかける習慣はあるか、どれくらいで帰宅するか、などの情報を取得するのです。
そのため、普段から無施錠のままでかける機会が多い家庭は、すでに空き巣にライフスタイルを知られているかもしれません。
空き巣がどのような観点で下見をするのか、以下の記事でわかりやすくまとめているので、よければ参考にしてください。
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侵入しやすい家は下見でわかる、空き巣が好む時間帯・曜日はあるのか
空き巣は短時間で侵入が可能
空き巣が侵入にかける時間はとても短いです。窓ガラスを工具を使って割る「ガラス破り」や、バーナーのような熱を発する機械を使う「焼き切り」、ドアノブについたつまみ状の鍵(サムターン)を外から回す「サムターン回し」など、たくさんの手口があります。
とくにサムターン回しは、集合住宅の玄関を開けるときによく使われる手口です。サムターン回しの詳しい解説や防止策については、以下の記事にまとめています。
あわせて読みたい:
4階以上に住む人はサムターン回しに要注意、手口と対策を徹底解明
工具を使うと聞くと、大掛かりで時間がかかりそうに感じられます。が、手慣れた空き巣であれば、鍵をかけた扉であっても1分以内に侵入できます。
侵入から換金性の高い品物を見つけて逃げ出すまで、5分とかからないケースも多いのです。
多くの方が、5分程度の外出であれば、律儀に鍵を閉めなくても大丈夫だろうと考えます。が、実は空き巣は5分以内に犯行を終わらせることだってできるのです。
短い時間だからと油断せず、こまめに施錠することがとても重要です。
オートロックの過信は危ない
なかには、ご自身が住むマンションのエントランス部分がオートロックだから、空き巣は侵入できないだろうと判断して、鍵をかけない方もいます。
が、エントランス部分のオートロックは信用しすぎない方がいいです。というのも、エントランス部分のオートロックは簡単に侵入できます。
他の住民の後について入れば、問題なく通れるからです。
そのほか、システムに穴があり、外部の人でも簡単に開けられるものもあります。過去には、男がエントランス部分のオートロックシステムの穴を突いて侵入し、住民に暴力をふるった事件も発生しています。
千葉県船橋市のマンションで、業者を名乗る男がオートロックを不正に解錠して共有スペースに侵入し、住民の男性が暴行される事件があった。千葉県警船橋署は傷害事件として捜査。専門家は珍しい手口だとしており、注意を呼びかけている。
男性は翌日、警察官らとともにマンションのエントランスに設置された防犯カメラの映像を確認。バインダーを持った男がインターホンを鳴らす様子が映っていた。
男はその後、紙のようなものをオートロックの自動ドアの隙間に差し込み、動かした。すると、センサーが誤作動したのか、自動ドアが開いた。男は小走りで、エレベーターへ向かっていった――。
朝日新聞デジタルより抜粋
第一、空き巣は絶対外部の人間であるとは言い切れません。マンション内の住民が、他の住民の部屋に侵入して金品を盗む可能性だってあるのです。
マンションエントランスのオートロックは過信せず、各玄関の戸締まりを徹底することも重要です。
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鍵をかけるべき基準
ちょっとした外出であっても、戸締まりをきちんとすべきだと、様々な観点から解説してきました。
ですが、玄関の外にあるポストに郵便物を取りに行くときや、家の目の前のゴミ捨て場に行くときなどにまで、毎回施錠するのは大変かとも思います。
そこで、鍵をかけるかどうかを、「玄関が見えない場所まで行くかどうか」を基準として判断する方法を提案します。
家の様子が見えない場所にまでいくのであれば、鍵は閉めた方がよいです。一方、いつでも家の様子を確認できる場所にまでしか行かないのであれば、神経質になりすぎる必要もないかと思います。
鍵をしめるかどうかの一つの判断基準として、考えてみるとよいかと思います。
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