4階以上に住む人はサムターン回しに要注意、手口と対策を徹底解明

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マンションの玄関

泥棒が鍵を破って侵入する手口といえば、多くの人がピッキングを思い浮かべるのではないでしょうか。ピッキングとは、特殊な器具を鍵穴に挿入して解錠する手口です。

しかし、ピッキングと同じぐらい泥棒が使う侵入手段があります。それがサムターン回しです。

サムターンとは、ドアの内側についているつまみです。利用する人が楽に鍵の開け閉めができるように、大きく持ちやすいつまみがついていることがほとんどです。

ドアにドリルで穴を開けるなどして、器具を中に差し込み、内側のサムターンを回して解錠するのがサムターン回しの主な手口です。

泥棒は、外から解錠するのは難しいが、中からは簡単に開けられる仕組みを悪用しているのです。

サムターン回しは、共同住宅の高層階に住む人ほど注意が必要な犯罪手口です。高層階になるにつれて、正面玄関から侵入される可能性が高くなるからです。

本記事では、サムターン回しの手口や注意点、対策グッズの紹介を行います。

サムターン回しの4つの手口

ピッキング

サムターン回しとは、外部からドアの内側についているつまみ(サムターン)を回して解錠する手口です。

ピッキングと比べて高度な技術が必要なく、雑に作業を行っても解錠が可能なため、泥棒が選びやすい侵入手段です。

サムターン回しには、大きくわけて4つの手口があります。

ドリルで穴を開けて解錠する

サムターン回しの中でも一番多い手口が、ドリルをつかったものです。ドアの鍵付近にドリルで穴を開け、穴から特殊な器具や針金を差し込み、サムターンを回して解錠します。

ドリルで無理やり穴を開けるだけなので、誰でもできてしまいます。そのため、泥棒が侵入手段として選びやすいと考えられます。

解錠までに1分もかからないのも、手口として選ばれる理由です。電動ドリルを使えば、厚いドアでも20秒以内に穴があきます。

電動ドリルを使って穴を開けていると、周囲の人が気づきそうなものですが、これが意外と気づかれません。

ホームセンターには家庭用の静音タイプのドリルが多数売られているので、音で気づくことは難しいのです。

また、近年DIYやリフォームが流行しているため、住宅地でドリルの音がしても周囲が気にしない傾向があります。

ドアスコープから器具を差し込む

マンションやアパートなどの共同住宅の場合、ドアスコープ(のぞき穴)を使って、サムターン回しをする手口があります。

ドアスコープは、取り外しができるようになっています。本来は内側からしか外せない仕組みですが、特殊な工具を使うと外からでもドアスコープを外せます。

そしてできた穴に針金のような器具を入れて、サムターンを回すのがドアスコープを使った手口です。

ドアスコープを使ったサムターン回しは、音がほとんどしません。ドリルを使った手口よりも気づくのが難しいと考えられます。

ドアの隙間に器具を差し込む

ドアにできたわずかな隙間に工具を差し込み、サムターンを回す手口もあります。

ドアスコープを使った方法と同じく、大きな音が出にくいため、周囲の人が気づきにくい方法です。

さらに、穴をあけたりドアスコープを外したりしないので、侵入の証拠が残りにくいです。住人が侵入になかなか気づかず、犯行の発覚が遅れるリスクもあります。

郵便受けから器具・手を差し込む

ドアについた郵便受けに、器具や手を差し込んでサムターンを回す手口もあります。

住人が郵便受けを使わないようにふさいでいても、工具で壊してこじ開けます。

ドアに郵便受けがついているタイプの住宅なら、サムターンそのものだけでなく、郵便受けにも対策が必要です。

高層階にはサムターン回し対策が必要

郊外の団地

マンションやアパートなど共同住宅の3階以上に住んでいる場合は、特にサムターン回し対策が重要です。

一戸建てや2階以下の住宅と比べて、正面玄関から侵入されるケースが増えるからです。

高層階に住む方ほど、サムターン回し対策が重要となります。

高層階は玄関からの侵入が増える

高層階への侵入経路

一戸建て住宅に起こった侵入犯罪のうち、正面玄関から侵入のケースはわずか18.2%です。3階建て以下の共同住宅でも、正面玄関から入られたケースは34.8%とそこまで多くはありません(警察庁の2018年のデータより)。

3階建て以下の住宅の場合、侵入経路の第一位は窓です。半数以上の泥棒が、窓から侵入しています。頑丈なドアよりも、ガラスしかない窓の方が破りやすく侵入しやすいのが原因だと考えられます。

ドア以上に窓の防犯対策をした方が、侵入犯罪を防げる可能性が高まります。

しかし、4階建て以上の住宅に焦点を当てると、侵入経路の順位が入れ替わります。54.1%の泥棒が正面玄関から侵入し、窓からは32.9%にまで減ります。

高層階だと外からの侵入は難しいので、ドアから侵入してくる泥棒が増えるのです。

サムターン回しによる侵入割合も増える

2018年の警察のデータによると、侵入犯罪のうち、ピッキングやサムターン回しによる割合は、

  • 一戸建て住宅:1.7%
  • 共同住宅(3階建以下):2.9%
  • 共同住宅(3階建て以上):2.8%

となっています。

一戸建て住宅と比べて、共同住宅の方が1.5倍以上多いことがわかります。

高い場所にある家をターゲットとして選んだ泥棒は、最初からサムターン回しをするつもりで犯行におよぶ可能性が高いです。

共同住宅の高い階に住んでいる方ほど、サムターン回しの対策は念入りに行うのをおすすめします。

マンションやアパートの玄関には、危険がたくさんあります。共同住宅の玄関におすすめの防犯対策をまとめた記事も、参考にしてみてください。

サムターン回し対策グッズ

ドアノブ

サムターン回しによる侵入を防ぐには、専用の対策グッズを使うのがおすすめです。一番よく使われているのが、サムターンの周囲をおおうカバーを設置する対策方法です。

カバーをつけるだけで、工具がサムターンに届かなくなり、解錠されるリスクが下がります。1,000円以内で購入できるので、誰でもすぐに実践できる対策方法でもあります。

より防犯効果を高めるなら、郵便受け用のカバーや補助錠をあわせて使うのがおすすめです。

ALSOKが販売するサムターンカバー

サムターンカバー

大手通販サイトでサムターンカバーと検索すると、さまざまな種類のカバーがヒットします。

いろいろ種類があると選ぶのが大変ですが、私のおすすめはホームセキュリティ会社ALSOKが公式通販サイトで販売するサムターンカバーです。

大手ホームセキュリティ会社の販売なので、品質や効果も十分です。

ALSOKの通販サイトでは、2種類のサムターンカバーを販売しています。

防犯サムターン回し防止具と、防犯サムターンガードです。

値段はどちらも495円(税込)なので、手を出しやすい防犯グッズです。

防犯サムターン回し防止具は、両面テープで接着するタイプで、特別な工具は必要ありません。だれでも簡単に設置でき、一人暮らしの方にもおすすめです。

ALSOKの防犯・防災グッズ通販ショップ

郵便受けカバーで、器具の差し込みを防ぐ

郵便受けカバー

ドアに郵便受けがあるタイプの共同住宅に住んでいるのなら、郵便受けカバーもつけた方が安心です。カバーをつけるだけで、郵便受けをこじ開け、手や工具を差し込まれないようにできます。

実は、こじ開け防止用の郵便受けカバーは、ほとんど販売がありません。郵便受けが使えないようにするためのテープはありますが、強度の弱いテープだと切断される可能性があります。

この問題に対処できるのは郵便受けの目隠し用カバーです。本来こじ開け対策用ではありませんが、差し込まれた手や工具がサムターンに届かないよう妨害するには十分です。

目隠し用のカバーなら、Amazonや楽天市場で簡単に入手できます。1,000円~2,000円の価格帯のものがほとんどです。

ハイロジック ポスト目隠し 602 POーMK(B)(Amazon)

補助錠で焼き破り対策を

ガスバーナー

サムターン回しを防ぐだけでなく、サムターン回しをされてもドアが開かないようにする工夫も必要です。

泥棒の中には、焼き破りという手口を使う人もいます。

焼き破りとは、ドリルで開けた穴や、ドアと壁の隙間などから高温のものを入れプラスチックを溶かして解錠する手口です。この手口の特徴として、プラスチック製のサムターンカバーや防犯グッズを無効にする点があります。

せっかくサムターン回し対策を行っても、侵入されてしまう可能性があるのです。

焼き破りによる侵入を防ぐためには、サムターン回し以外の対策が重要です。

そこで大事な考え方が、1ドア2ロックです。

1ドア2ロック

1ドア2ロックとは、ドアや窓に2つ以上の鍵をかけることです。1つの鍵が突破されても、もう1つの鍵が残っているので泥棒の侵入を許しません。

補助錠をつけておくだけで、侵入のリスクを大幅に減らせるのです。2,000円~3,000円程度で、質の高いものが購入できます。

多くの補助錠が、ドアや壁を傷つけずに設置できるので、賃貸住宅でも安心です。

ノムラテック ドアロックガードディンプル キータイプ ブロンズ N-2428は、外開きのドアであれば左右どちらに開くものでも設置できます。

ドアとドア枠の隙間に金具を通して設置するので、工事はいっさい必要ありません。

警察の調べによると、7割近くの泥棒は解錠に5分以上かかったらあきらめます。5分以上の解錠作業は、周囲に犯行がばれるリスクが高まるからです。

サムターンカバーと一緒に補助錠をつけておくと、泥棒は侵入までに時間がかかり、あきらめるのです。

1ドア2ロックが必要なのは、ドアだけではありません。窓も侵入経路としてよく狙われる場所です。窓用の補助錠としておすすめなのが、ALSOKロックです。

ホームセキュリティ会社であるALSOKのロゴマークがあり、泥棒に対して威嚇ができます。

ALSOKロックの詳しい使い方や、設置した様子の動画については、以下の記事で紹介しています。

アルソック

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この記事の執筆者

執筆者の詳細プロフィール
遠い土地に住む祖母が一人暮らしになったのをきっかけに、自宅の防犯対策について興味を持ちました。週一で散歩のついでにいろんな家の防犯対策をチェックしています。

より良い情報をお届けするため、ホームセキュリティの教科書 編集部 がメンテナンスを担当いたしました。( 更新)

ありがとうございます。

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