長期間留守にするときにやるべき防犯対策とは?旅行中の空き巣を防ぐ7つのポイント
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出張や旅行、年末年始の帰省などで長期間家を空けるときには、普段以上に防犯対策を行わなくてはなりません。
空き巣は、ターゲットと決めた家の様子を頻繁に見張ります。家の様子のちょっとした変化から、留守中であることを敏感に感じとります。
不在中に空き巣に狙われないためには、不在だと悟らせないための対策が必要です。
このポイントをおさえておくだけで、不在中の空き巣を防げます。
今回は、長期不在のケースとして特に多い1週間~1ヶ月の不在中にやるべき対策についてまとめます。
目次
不在中の侵入犯罪データ
不在中の空き巣対策をする前に、どういった手口があるかを知っておくのはとても重要です。
日本では、侵入犯罪を3つの種類に分類します。具体的には、
- 空き巣:住人が不在の間に侵入する手口
- 忍び込み:住人が就寝する夜間に侵入する手口
- 居空き:住人が在宅中に侵入する手口
の3つです。警察庁が公開した平成28年の犯罪データによると、侵入犯罪のうち61.2%が不在時を狙う空き巣です。次いで忍び込みが22.8%、居空きはもっとも少ない5.0%でした。
つまり、侵入犯罪の6割が住人が留守の間に起こるのです。不在時の防犯対策が非常に重要であるのがわかります。
空き巣は1件あたりの被害額が大きい
空き巣は、忍び込みや居空きと比べて1件あたりの被害額が大きい傾向にあります。2016年の警察庁のデータによると、被害額が50万円を超えたケースの割合は、
- 空き巣:38.6%
- 忍び込み:26.6%
- 居空き:22.8%
と、空き巣が一番多いです。100万円以上盗まれるケースを比較すると、忍込み・居空きの2倍以上となり、高額被害がとても多いのがわかります。
侵入犯罪の中でも空き巣の被害額が大きいのは、犯人に余裕があるのが関係しているのではないかと思います。
忍び込みや居空きは、住人が近くにいる状況で犯行が行われます。犯人には強いプレッシャーがかかります。
一方の空き巣は、住人がいないとわかった状態で侵入しているので、犯人に余裕が生まれます。
侵入できる時間も長いため、被害額が大きくなる傾向にあるのです。
冬から春は空き巣被害が多い
近年の空き巣の発生件数は、涼しくなり始める9月から増加します。そのまま翌年の4月まで高い水準を保ち、5月から件数が落ち込む傾向にあります。
冬から春にかけての季節は、一年の中でも不在になる家や防犯対策がおろそかになりやすい季節です。
たとえば、冬は年末年始や冬休みを使って帰省したり旅行に行く方が多いです。そのため長期不在になる家が増え、空き巣にとって仕事がしやすい環境が整います。
また、春は新生活を始める人が多く、自宅の防犯対策が十分なされていないため侵入されやすいのです。
冬から新年度にかけての時期は、特に空き巣対策に力を入れるべきです。
年末年始の防犯対策については以下の記事で詳しく説明しています。
あわせて読みたい:
空き巣は年末年始に増える?侵入のやり方・心理を知って効果的に防犯する
空き巣に留守だとばれないための対策
長い期間不在にするのであれば、空き巣に留守をさとられないようにする工夫がとても大事です。
空き巣は主に、
- インターホン
- 郵便受け
- 室内の灯
を頼りに留守かどうかを判断します。
一般的に、空き巣は実際に犯行を行う前に複数回の下見をします。下見で侵入しやすい場所や留守にしている時間帯、家族構成などを調べます。
不在中の空き巣を防ぐのであれば、下見時点で留守だと感づかれないようにするのが効果的です。
インターホンで来客の記録を残す
インターホンを使った留守確認は、空き巣が最もよく使う手法です。警察の調べによると、45.7%の空き巣がインターホンを使って住人の不在を確認します。
そのため、近年注目されている防犯グッズが録画機能つきのインターホンです。来客の様子を記録できるので、万が一空き巣に入られた時でも確実な証拠を残せます。
人感センサーが搭載されたものが多数販売され、人が近づくだけでライトが作動する機能つきの商品もあります。
ライトがつくことで、空き巣に対して留守じゃないと思い込ませられます。
玄関まわりの防犯対策をする上で、インターホンはとても重要なアイテムです。
通常、玄関の防犯対策をするとき使われるグッズには、
- 防犯カメラ
- 防犯ステッカー
- センサーカメラ
などがあります。録画機能付きインターホンを使うだけで、防犯カメラとセンサーライトの効果も合わせて得られます。
インターホンの横に、録画中と記載された防犯ステッカーを貼ればさらに強力な対策ができます。
玄関周りの防犯対策は費用がかかりがちなのがデメリットですが、録画機能付きインターホンを設置するだけなら3万円以下におさえられます。
簡単に玄関のセキュリティを高めたい方にとてもおすすめな防犯グッズです。
録画機能付きインターホンのメリットや、おすすめの商品、自宅の立地にあった選び方に関しては、以下の記事でまとめています。
あわせて読みたい:
下見にきた空き巣の証拠を残すなら、録画機能つきインターホンがおすすめ
荷物は時間指定をする
郵便受けを見て、留守と判断する空き巣も多いです。
郵便受けに新聞や郵便物がたくさんたまったままの状態のままだと、「留守にしているのではないか」「だらしない生活スタイルではないか」と判断されてしまいます。
長期間留守にするのであれば、郵便受けにものがたまらないように工夫する必要があります。
長期不在にする前にできることとして、
- 配達時間指定を利用する
- 新聞を不在時だけ止める
- 不在届けを提出する
の3つがあります。
まず、留守の間に荷物が届かないよう、通販で購入するものなどは日時指定をするのを習慣づけるのがおすすめです。
私も以前は、通販を利用する際、設定が面倒で日時指定をせずに注文していました。当然在宅中に荷物が届かず、不在票が自宅の郵便受けに入ります。
通販を利用する方には「あるある」な現象かもしれませんが、実は防犯上はよくありません。不在票には個人情報がたくさん記載されています。
例えば、「10月1日(水)の18時にAmazon様からの荷物をお届けに来ましたが、不在でした」といった内容の不在票がヤマト運輸から届いたとします。
不審者はこの不在票を見て、
- 水曜日の18時は帰宅していない時間帯なのかもしれない、侵入するならこの時間がいいな
- ヤマト運輸と名乗って「Amazon様からのお届け物です」と言えば、警戒されずにドアを開けるかもしれない
と考えて犯行の段取りをします。
不在票1つで多くの情報を相手に与えるのです。
荷物が自宅に届く予定があるのなら、確実に自分が受け取れる日時を指定するのは防犯上とても重要です。
新聞を一時的にとめる
しばらく自宅にいないのであれば、その期間だけ新聞を止める方法もおすすめです。新聞はかさばりやすいので、数日分たまるだけでも郵便受けがいっぱいになります。
いっぱいになった郵便受けは、その家の住人がいないことを周囲に教えてしまいます。
配達を担当する事務所に電話して、「◯月◯日まで配達を止めてほしい」というだけで配達をストップできます。
1週間以内の短い不在であれば、近所に住んでいる友人に新聞を回収してもらう方法もあります。とにかく、郵便受けにものをためない工夫が重要です。
郵便局に不在届けを出す
郵便局に不在届をだすのもおすすめの方法です。不在届とは、最寄りの郵便局に届け出るだけで、不在中の配達をストップしてくれる手続きです。
不在期間中に届いた荷物は郵便局で保管して、届け出期間終了後に配達してくれます。届け出られる期間は最長30日です。
年賀状やダイレクトメールなどがたくさん送られてくる年末年始の帰省時にはかなり重宝します。
不在届けの手続き方法はとても簡単で、最寄りの郵便局に本人確認ができる資料を持って行くだけです。
郵便局内に「不在届」が置いてあるので、必要事項を記入して提出します。郵便局のホームページからダウンロードして、自宅で記入したあと持っていくことも可能です。
タイマー式の室内灯を使う
タイマー式の室内灯を使って、在宅しているように見せかける方法も効果的です。
空き巣は、家の灯が点くかどうかで在宅を判断します。家の外にセンサーライトをつけて在宅っぽく見せる家庭はたくさんありますが、センサーライト自体が一般化されてきたのであまり効果はありません。
重要なのは室内の灯がついている点です。さらに効果的なのは、時間によって室内灯がついたり消えたりすることです。住人が家にいるときと同じような時間帯に電気が明滅すれば、空き巣は留守だと判断しません。
最近では、スマホを使って外から灯をつけたり消したりできるサービスがあります。しかし、これらのサービスは設置費用が高く、後付けできないものも多いです。
防犯対策として一時的に灯をつけたり消したりしたいのであれば、タイマー式の室内灯がおすすめです。
タイマー式室内灯でおすすめなのが、パナソニックのあけたらタイマです。
普段使う室内灯のスイッチに設置するだけで、いつでもタイマー機能が使えるようになります。
普段の帰宅時間に合わせて灯をつける「定刻」機能と、不在中にランダムに点灯して在宅を装う「留守」の2つのタイマー機能があります。
自然な動作で明滅させるので、空き巣や周囲の人に違和感を与えません。旅行や帰省で不在にするケースだけでなく、帰宅時間が遅く無人の時間帯が長い家庭にもおすすめです。
植物の手入れを誰かに頼む
自宅にたくさんの植物があるなら、手入れを誰かに頼むことも重要です。
植木鉢がカラカラになっていたり、落ち葉がたくさんたまったままだと、空き巣は不在だと判断します。
近所の人や知り合いに頼んで、不在中も手入れを継続しておかないと空き巣のターゲットになる可能性があります。
同じ理由で冬季の雪かきやゴミ出しも非常に重要です。普段行っている自宅のメンテナンスが、不在中に途切れないように注意するのが重要です。
SNS投稿は帰宅後に
旅行中や帰省中には、思い出を写真に撮ってSNSに投稿する機会も増えます。しかし、不用意な投稿は自宅に誰もいないことを全世界に発信してしまいます。
空き巣やストーカーなどの犯罪者は、自宅の様子からだけでなくネットからもターゲットの情報を入手します。
たとえ本名を登録していなくても、わずかな情報から個人を特定できるので油断は大敵です。
楽しい思い出を投稿するのは帰宅後にした方が、周囲の人間に留守を知らせずに済みます。
同じ理由で、自宅に「旅行中です」と張り紙したり、留守番電話に「しばらく留守にしています」との音声設定をするのは防犯上よくありません。
SNS投稿は比較的若い世代がやってしまいがちですが、これらは高齢の方ほどしてしまいがちな行為です。
不特定多数の人間に、不在であることを伝えてしまいます。
まとめ
ここまで、空き巣に留守だと悟らせない7つのポイントについて説明してきました。
空き巣は常に下見を行って、侵入しやすい家を探します。長いあいだ留守にしている家は、真っ先にターゲット候補にされてしまいます。
できるだけ留守だとわからないように工夫して、ターゲット認定を避けなければなりません。
また、もしターゲットにされて侵入されないように、玄関や窓の防犯対策もしっかり行ってからお出かけするのがおすすめです。
空き巣の6割は窓ガラスを破って侵入します。窓の防犯対策は、非常に重要です。
窓の防犯対策については、以下の記事にまとめています。
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