防犯マニアが実際に歩いて調べた、空き巣に狙われやすい町の特徴とは?
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空き巣は、実際に住居に侵入する前に念入りな下見をします。自分が捕まらず、確実に金品を盗み出せる場所を選定するためです。
侵入犯罪者がターゲットを選ぶときに、重視するのが「町の雰囲気」です。
実は、空き巣に狙われやすい町の特徴というのがあります。空き巣にとって、「侵入しやすく、逃げやすい」環境が整っていれば、その地域内にある住居がターゲットになる確率があがります。
空き巣に狙われやすい町かどうか重要なのは
- 人通りの有無
- 留守宅が多いか
- 死角があるか
の3つのキーワードです。
この記事では、それぞれのキーワードについて詳しく説明します。
また、私が実際に街を歩いて調べた空き巣に狙われやすい町や、反対に空き巣に狙われにくい町の特徴を解説します。
目次
空き巣の下見は町→住居
ほとんどの空き巣が、侵入するターゲットを念入りに下調べしてから決めます。ふらっと立ち寄った地域で、お金持ちそうな家を見かけて侵入することはありません。
侵入犯罪者の下見は、地域から住居の順番に行われます。まず、地域全体の様子を見て、侵入しやすい特徴があるか探します。侵入する地域を決めてから、ターゲットとなる住居を選び出すのです。
空き巣対策をするなら、自宅の防犯対策はもちろん重要です。が、それ以前に地域に狙われやすい特徴がないか知っておく必要があります。
もし、お住まいの地域が、狙われやすい町の特徴が当てはまる場合は、特徴の改善や自宅防犯の強化がおすすめです。
人通りが少ないと通報されにくい
空き巣が町の下見をするとき、一番にチェックするのが人目の多さです。通りに通行人が多いか、住民の出入りが頻繁にあるかをチェックします。
人通りや人目が少ない場所であれば、周囲の変化にあまり気を取られずに侵入が可能です。
警察庁のデータによると、50%の空き巣が人通りや人目の多さを気にします。
留守宅が多いか
人目の多さに次いでチェックするのが、留守宅の多さです。周囲が留守であれば、侵入時に気づかれて通報されるリスクが減ります。
また、留守にする時間が長い住居が多いほど、侵入のチャンスが増えます。
日中外出する人がほとんどの地域は、昼間の不法侵入に十分注意が必要です。
空き巣は、留守宅を確認するためにさまざまな手段を用います。最も多いといわれているのが、インターホンを使った方法です。
インターホンを押して何も反応がなければ、留守だと判断するのです。
そのほか、
- 住人の動きを見張る
- 電話をかける
- 郵便受けの中身がそのままか見る
などの方法もあります。
学生時代、私がたまたま午前中自宅にいたとき、「インターホンが鳴ったので出てみても誰も反応しない」ことが一週間に複数回ありました。
当時はいたずらかと思っていましたが、今考えるとあれは空き巣の下見だったのかもしれません。
インターホンを使った方法のほか、空き巣には洗濯物の干し方から、住人の生活サイクルを探るときもあります。その手段については、以下の記事を参考にしてください。
あわせて読みたい:
空き巣は洗濯物を見てターゲットを決める、被害に遭わないための防犯対策とは
死角が多いと侵入しやすい
死角が多いかどうかも、空き巣はよく見ます。「死角がある」とは、玄関付近に樹木があって外から見えにくい状態や、窓付近に不要物を置いたままにしている状態です。
泥棒が侵入するために、大きな死角は必要ありません。ほんの少し、外から見えにくいだけで十分です。
たとえば、空き巣の侵入方法で一番多いのが窓破りです。窓ガラスを割って、内側に手を差し込み解錠する方法です。
窓破りをするとき、空き巣は鍵の近くにしゃがみこみ、専用の器具でガラスを割ります。つまり、大人1人がしゃがめるスペースさえあれば、侵入は可能です。
場合によっては、小さな植木1つだけでも十分です。よって、自宅周りに置くものには、注意が必要です。あまりに大きなものを置いておくと、空き巣の隠れ場所になるかもしれません。
家族が快適に過ごすための日除けグッズが、空き巣の隠れ場所となるケースもあります。
日よけグッズの注意点については、以下の記事でまとめています。
そのほか空き巣がチェックするポイント
上記のポイント以外にも、空き巣が下見時に注目する点があります。
具体的には、
- 交通の便がいいか
- ゴミがきちんと捨てられているか
交通の便がよい町は、犯行後の逃走がスムーズにすすむので狙われやすいです。空き巣がターゲットを選ぶ条件は、「侵入しやすく、逃げやすい」です。
近くに駅やバスが通っていると、「逃げやすい町だ」と判断します。
そのほか、指定日にゴミがきちんと捨ててあるかチェックするケースもあります。ゴミがルールに従って捨ててあれば、町全体の連帯感が強いと考えられます。
一方で、指定日が守られずルールがあいまいだと、住人の連帯感が弱いのだと判断します。連帯感の弱い町は、通報される可能性が低いのでターゲットになりやすいです。
実際に歩いてわかった狙われやすい町の特徴
もっと具体的に、空き巣に狙われやすい町の特徴を知るため、実際にいろんな町を歩いてみました。
その結果、狙われやすい特徴のある町には、まったく違う土地柄であっても、いくつかの共通点があることに気づきました。
今回は、
- 人通りの多い町:1分間に通行人が10人以上いる場所
- 一般的な住宅街:1分間に通行人が1~10人いる場所
- 人通りの少ない町:通行人が滅多にいない場所
をそれぞれ数箇所ずつ回って、共通点を探りました。時間帯は、空き巣の侵入が最も多い平日の昼間です。
狙われやすい町は人目を気にしない
人通りの多い町(空き巣が狙わない町)にあって、人通りの少ない町(空き巣が狙いやすい町)にない最大の特徴は、人目に対する意識だと感じました。
私が歩いた人通りの多い町は、どれも近くに観光名所があります。そのため、ひっきりなしに観光客が歩いており、町は常に人目にさらされます。
そうすると、「常に見られている」と意識するのか、自宅の外観に気を使った家がほとんどでした。
目隠しになるものを置いて隠すよりは、見栄え良く整える家が多かったです。
一方で、人通りの少ない町は、見られる機会が少ないからか自宅周りにものを置いたままの家庭が多くありました。
窓や玄関周りに荷物が置いたままで、空き巣が簡単に侵入できそうだと感じました。
具体的にどのような共通点があったか、お伝えします。
手入れがされていない植木鉢が多い
人通りの少ない町でよく見かけたのが、たくさんの植木です。趣味としてガーデニングをしているのかと思いきや、元気がない植物が並んでいることもありました。
枯れたままのものが放置されているケースもあります。
こういった植木がたくさん並んでいると、空き巣は「ここの家の住人はだらしないのでは」と考えます。
住人がだらしないと、施錠が甘くて簡単に侵入できたり、犯行がなかなかバレなかったりと空き巣にとってメリットが大きいです。
空き巣がだらしないと感じると、ターゲットにする可能性が高まります。
管理しきれない植物類や荷物は、通りから見えない場所に移すなどの対策が必要です。
防犯ステッカーがボロボロになっている
人通りの多い町、人通りの少ない町、双方でよく見かけたのが防犯ステッカーです。
自宅のポストや、表札近くにステッカーを貼っておけば、空き巣に対して防犯意識の高さをアピールできます。
空き巣はステッカーを貼った家を恐れます。ほかの家と比べて、効果的な防犯対策をしている可能性が高いからです。
しかし、人通りの少ない町に多かったのが、古くなってボロボロの状態のステッカーです。何年も貼り続けて退色したものをいくつか見かけました。
こうしたボロボロのステッカーを見た空き巣は、「以前は防犯意識が高かったが、最近はおろそかなのではないか」と考えます。
防犯ステッカーは貼って終わりではありません。数年に一度貼り直しをして、常にきれいな状態を保つのがポイントです。
窓に貼るだけで、防犯ステッカーと補助錠の2つの役割を果たすグッズもあります。特にアルソックが販売するものは、実用性が高いのでおすすめです。
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挨拶一つで空き巣は撃退できる
自分が住んでいる地域を、より「空き巣に狙われにくい町」にするには、挨拶がとても重要です。
空き巣は、近所づきあいが多い町を嫌います。住人同士が連帯感を持ち、お互いの生活を意識するからです。
住人同士が挨拶を頻繁に交わす町は、連帯感が強い傾向にあります。
また、近所の住人が空き巣に挨拶するだけで、空き巣は犯行をあきらめるのです。
6割の空き巣が声をかけられるとあきらめる
都市防犯研究センターJUSRIサポートが、空き巣に対して行った聞き取り調査では、全体の63%が「住人に声をかけられたら犯行をあきらめる」と答えました。
「警察官と出会ったら犯行をあきらめる」と答えた空き巣はわずか20%だったので、挨拶は警察官の存在以上に効果的だとわかります。
怪しまれて声をかけられたケースだけでなく、「こんにちは」と声をかけられただけでもあきらめます。
あまり見慣れない人が近所をうろうろしていたら、もしかすると下見中の空き巣かもしれません。
「こんにちは」「暑いですね」「なにかご用ですか」と声をかけるだけでも、空き巣を撃退できます。
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